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スマホのバッテリー劣化早める「ながら充電」に注意、携帯市場と電通大が調査

iFixit iPhone X
 
スマートフォンで動画視聴やゲームプレイしながら充電することでバッテリーが劣化することによる経済損失は推定4,220億円にのぼると、中古スマートフォンなどの買取・販売を行う携帯市場が、電気通信大学との産学連携による調査結果を発表しました。

iPhoneユーザー1,800人に調査

中古スマートフォンなどの買取・販売を行う携帯市場は、電気通信大学 i-パワードエネルギー・システム研究センター横川研究室との産学連携による「スマホバッテリー劣化研究プロジェクト」の調査結果を発表しました。
 
調査は2020年2月と2020年9月の2回、900人ずつのiPhoneユーザーを対象としてアンケートを実施し、バッテリーの劣化につながる行動を分析しています。
 
動画視聴とゲームプレイの有無と、充電しながらスマホを使うかどうかを若年層と高齢層で掛け合わせたのが以下のグラフです。
 
若年層(下段)は動画視聴(左列)、ゲームプレイ(右列)ともに利用率が高く、さらに充電しながらスマホを使う割合も高い特徴があります。
 
高齢層でも、動画視聴者の半数以上、ゲームプレイする人の約半数が「ながら充電」しています。
 

 

充電しながらのオンライン会議にも注意

調査結果について、電気通信大学の横川 慎二教授は「特に若年層には、フル充電をしていないと不安といった強迫観念があるのかもしれません」とコメントしています。
 
さらに、オンライン会議のデバイスにスマートフォンを利用するユーザーが増えていることが推定されるとして、オンライン会議での「ながら充電」が、スマートフォンのバッテリー劣化を招く原因となる可能性もある、と指摘しています。

ゲームしながらの充電、発熱の温度差が8.9度

スマートフォンなどに使われているリチウムイオン電池は、熱によって劣化が進みやすく、事故や不具合に繋がる可能性もあります。
 
携帯市場の調査によると、スマートフォンでゲームしながら充電した場合と、充電だけの場合を比べてると、8.9度の温度差があり、「ながら充電」によるバッテリーへの影響が懸念されます。
 

 

バッテリー劣化の経済損失は4,220億円

携帯市場は、同社が取り扱う中古端末のバッテリー劣化率(スマホとタブレットは約2割、フィーチャーフォンは約7割)と、端末の価格下落率(平均10%)を、国内携帯端末の推定市場価値総額(1兆2,936億円:MM総研調べ)を掛け合わせて、バッテリー劣化による経済損失を4,220億円と推定しています。
 
携帯市場と電気通信大学による「スマホバッテリー劣化研究プロジェクト」は、携帯市場が開発したスマホ劣化診断アプリによるデータ収集・分析などを行い、行動分析と連動した精度の高い調査結果を2021年秋をめどに発表する予定とのことです。
 
 
Source:携帯市場
Photo:iFixit
(hato)

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