【アウトドア銘品図鑑】
近頃勢いがあるのがワンポール&ツインポールのテントです。
周囲をペグで固定した後、1本または2本のポールで幕を持ち上げるだけなので、どこにどのポールを通せばいいのかという悩みは不要。それにポールの数が少ないので圧倒的に軽量です。
ただ、少々やっかいなのが結露。ドームテントでも結露による不快はありますが、ワンポールやツインポールはうっかりすると背中が濡れやすく、また出入りのためにファスナーを開くとき、伸ばした腕が幕に触れてべったり濡れます。
テンマクデザインが作ったツインポールテント「BLACK SUMMIT GG8」(5万4780円)は、結露の流れを考慮した生地パターンを採用し、結露がスムーズに地面に流れ落ちるようにしています。
もちろん、今どきのツインポールらしく、多彩なアレンジが可能。1年中使える工夫も満載です。
■収納サイズは小さく、重さはアンダー10kg
「BLACK SUMMIT GG8」は持ち運びやすいサイズに収まっていて、ペグやデイジーチェーンも付属しています。
収納サイズはφ22×58cmで、総重量は8.47kg。本体とペグ、張り綱、着脱式ペグ用ループ、デイジーチェーンが、ロールトップ型の収納袋に収まっています。ロールトップ型の収納袋は雨の日にさっと丸めて押し込みやすいという実用的な面があります。
ポールは別売。メインポールはφ4.1×170〜250cmの「JOHN AND POLE 250」(8580円)、張り出しポールにはφ2.9×130〜180cmの「JOHN AND POLE 180」(4620円)が推奨されていて、セットで手配しました。
「BLACK SUMMIT GG8」の大きな特徴でもあるのが、着脱式ペグ用ループ。最初は取り外されているので18個全部を本体の裾に取り付ける必要があります。
どっち向きにすればいいのか不安になりますが、説明書に丁寧に描かれているので大丈夫。フックを中心に、ひねりがあるループとひねりのないループになっていて、ひねりがあるほうにペグをいれます。この構造がわかれば不安なく取り付けられます。
ちなみに今回は一番裾にペグ用ループを取り付けていますが、上の方に取り付けると裾がスカートの役目を担ってくれます。これはアイデアですね。
■フロアは設営しやすい長方形
フロアレスのテントはポールを立ち上げてからの微調整がマストですが、「BLACK SUMMIT GG8」はフロアが長方形なのでスタンディングテープなどなくてもピタッと決まります。
裾に着脱式ペグ用ループを取り付けた本体を広げ、直角を意識しながら四隅をペグダウン。
手持ちのポール2本で本体を持ち上げます。タープ設営と同じで、ここは二股の張り綱を使いますが、全高250cm程度のため背が届きません。ポールを立ち上げる前にカラビナでセットしておきましょう。
付属のデイジーチェーンを取り付けるなら、これもメインポール立ち上げのときに取り付けておくと作業に無駄がありません。
ペグ用ループを一番裾にセットした場合、メインポールは250cm程度ですが、地面の傾斜や凸凹によって高さが変わるので、メインポールは無段階で調整できるものがベストです。
周囲をペグで固定して完成。
サイズは468×468×H234cm。コットが合計8台入る大きさで、区画サイトにもスムーズに収まります。
■ビギナーも扱いやすい機能が満載
ツインポールでポール別売という構成は、なんだかベテラン向きに思えますが、キャンプビギナーでも設営しやすくなっています。
両サイドはファスナーが伸びていて、ここが出入り口として機能します。
タープを全閉したシェルターっぽい見た目ですが、その場合はいちいちペグを2か所ほど取り外さなくてはならずちょっと面倒。ですが、「BLACK SUMMIT GG8」はこのファスナーがあることで断然楽に出入りできるんですね。
多彩な張り方ができるテントはほかにもありますが、それらはいちいち張り綱を結び直さなくてはいけません。
ところが「BLACK SUMMIT GG8」は張り綱にカラビナがあらかじめ装着されています。
上の写真はハトメに張り綱を通していますが、カラビナの先にあるウェビングに直接張り綱を結びつけておけばロープワークなんて知らなくても、好きな位置にすぐさま張り綱を装着できるんです。このハトメにはサブポールを刺してもよし。
サブポールを入れたくなる場所には、補強用の布とハトメ付きのウェビングが付いています。これもスゴイ。
パネルは横方向に縫い目がありません。これが結露がスムーズに流れる工夫です。
サイドのファスナーを開放して前方を跳ね上げてみました。
サブポールがあと2本あればタープのように開放的にできそうですし、サブポールの高さを変えればまた雰囲気が変わりそう。
* * *
「BLACK SUMMIT GG8」はツインポールとしては後発ですが、それだけにアイデア満載。だれもが設営しやすく、手軽にアレンジできるテントです。
>> テンマクデザイン
<取材・文/大森弘恵>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/363194/
- Source:&GP
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