業務プロセスで生成されるデータを収集して最適化に活かそうとの取り組みが、製造企業や工場で実施されている。ただし、中規模クラスの工場などでは、年代もメーカーもバラバラな機器が稼働していることが多く、こうした機器から生成された互換性のないデータの活用法に悩んでいるようだ。
こうしたなか、フラウンホーファー製造・エンジニアリング・オートメーション研究所(フラウンホーファーIPA)の研究者チームは、多様なデータを読み取って、あらゆるアプリケーションで利用できるようにするソフトウェア「StationConnector」を開発した。
多様なデータを共通で利用できるものに
StationConnectorでは、複雑なプロセスを要するデータへのアクセスと評価を引き受けてくれる。これにより、産業向けプロトコル、制御システムおよびその他ITシステム間でデータが転用可能に。消費電力、回転速度、温度……といったパラメータは、あらゆるアプリケーションで均一に利用できるようになる。
工場とデータを活用するシステムの間にソフトウェアレイヤーを挟むことで機能。ユーザーは機器から生成された多様なデータを個別に管理し、調整する。
その際ITスキルは必要なく、アプリケーションの種類に応じてデータフォーマットの調整が簡単にできるようだ。
工場の効率評価や生産能力向上にデータが活用できるように
データが適切なフォーマットで利用可能になれば、工場の効率を評価したり、生産能力を高めたり、ビジネスモデルを確立したりができるようになる。StationConnectorはローカルPCや企業のサーバー、クラウドなどで実行できて、インターフェイスにはパソコンやモバイル機器からアクセス可能とのこと。
すでに製造企業で使用されていて、その有効性は実証済み。フラウンホーファーIPAは「Data Coffee」と呼ばれるスピンオフ企業を立ち上げ、StationConnectorの市場展開を計画している。
参照元:Quick, easy access to machine data/ Fraunhofer Institute
(文・山田洋路)
- Original:https://techable.jp/archives/152393
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji