最近はあらゆる分野での「Uber」がある。「パーソナルシェフのUber」もある。例えばPopTopや100 Pleatsを思い浮かべて欲しい。そしてロンドンには今、Yhangry(ほどよく派手なYHANGRYというブランドで展開)がある。これは「自宅でのプライベートシェフによるパーティー」のウェブサイトであり、ある意味で間違いなくアプリだといえる。同社は多くの著名な英国のエンジェルらから、シードラウンドで150万ドル(約1億6500万円)を調達した。エンジェルには英国のベンチャーキャピタリストや「Made In Chelsea」のテレビスターであるOllie Locke(オリー・ロック)氏も含まれている。
創業者のHeinin Zhang(ヘイニン・ツァン)氏とSiddhi Mittal(シディ・ミタル)氏は、パンデミックの前に同社を創業した。同社のサービスを使えば、オーダーメイドのディナーパーティーをオンラインで注文できる。新型コロナウイルスの前まで同社はゆっくりと成長していたが、2020年のロックダウンの間は、バーチャルシェフクラスにシフトしなければならなかった。同社は現在、ロンドンのロックダウン解除への備えを整えている。ロックダウン解除により、合法的な屋外や屋内での食事が復活するからだ。
同社はまた、パンデミックをきっかけに起こった「エクスペリエンスの分散化」についても語っている。2019年、私たちはエクササイズをジムで行い、レストランにも行っていた。2021年、エクササイズは自宅で行われ、レストランは自宅に持ち込まれようとしている。
通常、プライベートディナーパーティーの予約には多くの手間がかかる。同社の構想は、YhangryによりUberEatsやDeliverooと同じくらい簡単に注文できるということだ。
シードラウンドの投資家には、Blossom CapitalのCarmen Rico氏(カルメン・リコ)、Passion CapitalのEileen Burbidge氏(アイリーン・バーブリッジ)、AntlerのOrson Stadler氏(オーソン・スタッドラー)、Index VenturesのMartin Mignot氏(マルタン・ミニョット)、Ollie Locke(オリー・ロック)氏、UrbanのJack Tang氏(ジャック・タング)、MindLabsのAdnan Ebrahim氏(アドナン・エブラヒム)、Cuckoo InternetのAlex Fitzgerald氏(アレックス・フィッツジェラルド)、VinehealthのGeorgina Kirby氏(ジョージナ・カービー)、Alma AngelsのDeepali Nangia氏(ディーパリ・ナンジア)らが名を連ねる。Yhangryの声明によると、彼ら投資家は常連顧客でもある。きっとそうだろう。
共同創業者のミタル氏は声明で次のように述べた。「いつもお客様から耳にするのは、プライベートシェフをより身近で手頃な価格で利用できれば、定期的に自宅で友人と近況交換できるということです。お客様の70%はこれまでプライベートシェフを利用したことがありません。彼らにとって、自分自身の夜をキュレートする自由と柔軟性は貴重です」。
Yhangryは現在130人のシェフを抱える。シェフは調理試験に合格し、新型コロナに関する規則を順守する必要がある。資金は、同社のチームの規模を2倍にするために使われる。
メニューは6人で1人あたり17ポンド(約2550円)から。予約価格は新鮮な食材の費用などすべてを含むが、顧客は料金を払えばワインなどを追加できる。2019年12月の開始以来、同社は7000人以上のロンドンの住民にサービスを提供してきたと話す。
Yhangryはパリ、ベルリン、リスボン、バルセロナなどの欧州主要市場に参入するという。
新型コロナ後にレストランやバーが再びオープンしても、Yhangryはも生き残れるのだろうか。
ミタル氏はこう述べる。「立ち上げから2020年3月までの間、レストランは開いていました。その時から、人々はリラックスした雰囲気の中で友人と時間を過ごしたいと考えていました。2時間の枠に限定したくないという需要がありました。店が再びオープンし始めたとしても、Yhangryはそうした家庭での食事と社交というトレンドを追いかけます。少なくとも、混み合ったパブやレストランに出かける心の準備がまだできていない人達がいます」。
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タグ:Yhangry、イギリス、資金調達、パーティー
画像クレジット:Yhangry
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(文:Mike Butcher、翻訳:Nariko Mizoguchi)