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タイメックスの傑作モデルが“手巻き時計”の楽しさを教えてくれました

<&GP編集部員が買ってみた!使ってみた!>

“自動巻き”と“手巻き”の2タイプに分かれる機械式時計は、どちらも一長一短があります。利便性で考えるなら、身に着けるだけで動力が得られる自動巻きをセレクトするでしょう。だって、ぜんまいを毎回リューズで巻き上げねばならない手巻きって、面倒くさいだけのような気がするし…。

ただ、自動巻きと違い手巻きは内部機構の部品が少なくてよいため、薄型で軽量のムーブメントに仕上げられたり、メンテナンスのコストが低かったりとメリットもあります。そもそも時間を正確に知りたいのであればスマホで事足りる昨今、自動巻きでも手巻きでも好きな方を選べばいいよね。

というわけで、エントリーの人にぴったりな手巻き時計が登場したので即購入してみました。それが165年以上の歴史を持つ、タイメックスの代表モデル「キャンパー」を復刻した「MK1 メカニカルキャンパー」(2万8600円)です。

▲時刻合わせにはリューズを引っ張り出し、秒針を止める「ハック機能」で調整

まずタイメックスのキャンパーといえば、もともと1980年代のアメリカ軍に納入されていた軍用モデルでミリタリーウォッチの定番です。シンプルな3針に24時間表記のアラビアインデックスは視認性が抜群で、腕時計として最低限の機能を持たせた現代にも通ずるミニマルなデザイン性を備えています。

その人気故、これまで何度もキャンパーは復刻を重ねてきました。2015年の「オリジナル・キャンパー」復刻では、コスト面の問題からクォーツのムーブメントを採用せざるを得なかったとのこと。つまり、「MK1 メカニカルキャンパー」はオリジナルに忠実な、待ちに待った手巻き式での復刻ということになります。

まさにそれを証明するかの如く、公式ECサイトでは即日完売したとのこと。う~ん、従来のファンが押し寄せたのは言うまでもありません。

購入後、さっそく装着するとまず軽さに驚き。いつも自動巻きの機械式ダイバーズを着けてるので重さは雲泥の差。またオリジナルを意識したオリーブカラーが美しく、ケース径36mmということで女性でも使えるユニセックス仕様なのもポイント。小ぶりかつケースが薄いためジャケットの下でも全く悪目立ちしません。

そして手巻きの感覚を楽しむべくリューズを回すと、「チキチキチキ…」と小気味いい音が鳴ります。どんどん巻き上げていくと、やや固くなるところでストップ。秒針が動き始め、時計を耳に重ねれば「チッチッチッチッ」と時を刻む鼓動が感じられます。なんかいい…、いかにも“命を吹き込んだ”感がある…。

で、外観ですが、今回から固定ラグがセパレートになり、ブラッシュ仕上げのステンレスケースは無骨なまでのシンプルさを感じます。まさに無駄を排除し、道具としての機能美を突き詰めた傑作。見れば見るほど愛着が湧いてきます。

特に手巻き式の場合、「朝巻いただけだし、そろそろ止まるかも?」と気になってしょうがないことも(笑)。手はかかるけど、なんだか目が離せない子どもやペットみたいな感覚。だからこそ、何度見ても飽きないデザイン性が大事だし、ディテールの部分もお気に入りになっていくのです。

また気に入っているのがドーム型の風防。サイドから眺めるとガラスがせり上がっているのが分かります。このレトロ感も見ていて楽しいところであり、さらに防水性能は50mと、ちょっとしたアウトドアにも耐えてくれそう。

先述のラグがセパレートになったことにより、18mmベルトをレバー式で交換可能になりました。従来のような引き通しベルトも付けられますし、ワンタッチで外せるのが本当にラクチン。自分流にカスタムして使ったり、掃除などのメンテナンスをしたりも気軽に行えます。

もはやデジタル隆盛の現代において腕時計の存在価値って何?とも思いますが、こうしてアナログのカルチャーに触れるのは大事だと常々思います。それは不便を求めてキャンプに行く動機と同じようなものかもしれません。

便利すぎると人間やることなくなるからね(笑)。ガスを使えば早いのに火を起こしたり、コテージで寝れば快適なのにテントを立てたり、そういう“自分の力で何かをする楽しさ”を気軽に腕元で体感できるのが手巻き時計の魅力なんじゃないかなあ、と。

ちなみに公式ECでは完売したようですが、他のECや実店舗ではまだ購入できるようなので、見つけたら要チェックです。

>> TIMEX

<文/三宅隆(&GP)>

 

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