Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)はまもなく公開されるiOSのユーザー追跡制限機能について、ネット広告に対抗するための機能ではないと発言しています。
ユーザー追跡に同意が必要
iOS14.5で導入されるプライバシー機能では、アプリがユーザーを追跡する場合に明示的な同意を得ることが必要となります。そのためiOS14.5以降ではユーザーの閲覧履歴や購入離歴、検索履歴などをもとにユーザーの関心にマッチした広告を表示することが難しくなります。結果として広告料を収益の柱としていたアプリなどに多大な影響が出ると予想されています。
このことについてAppleのティム・クックCEOは「私たちはネット広告に反対しているわけではない」として、「ユーザーが追跡に同意するかしないかの決定を下せるようにする」と語っています。同時にクック氏はインターネット広告は消費者の生活の変化を受けてこれからも発展を続けると予想し、この広告をどう健全に保つかが重要としています。
Appleはすでに同意を得ずにユーザーを追跡するツールを使っているアプリをApp Storeから排除し始めており、iOSアプリでは明示的な同意がなければユーザーを追跡することが困難になりつつあります。それに対して中国企業などが対抗する動きを見せていますが、Appleは厳しい基準でユーザーのプライバシーを守る姿勢を弱めていません。
iOS14.5の公開でネット広告業界は大きな変化を迎える可能性があり、その後に業界がどこに向かうかは現時点でははっきりしません。ユーザー追跡の制限はインターネット文化の将来にも関わることになりそうで、Appleがどのように行動するかに業界全体が注目しています。
Source:AppleInsider
(KAZ)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania