近年の定番キャンピングカーといえば、ハイエースを架装したバンコンバージョン(バンコン)、キャンピングカー専用のキャブ付きシャシーとなるトヨタのカムロードをベースにしたキャブコンバージョン(キャブコン)、軽1BOXをベースにした軽キャンパーの3種類。
居住スペースは各ビルダーの知恵を結集して快適さと使い勝手を高めていますが、ベース車両のバリエーションが少ないため、エクステリアの個性があまりないという弱点がありました。
そんな中、キャンピングカーの利便性はもちろん、エクステリアにもこだわりたいという人に注目されているのが、輸入車をベースにしたキャンピングカー。個性的なデザインや、広大なスペースに優雅な旅を過ごせる贅沢な装備が盛り込まれたものなど、どれも日本のキャンピングカーにはない雰囲気です。
アメリカではピックアップトラックが販売台数の上位を占めています。そのピックアップの荷台に部屋を載せるトラックキャンパーも人気。日本の軽キャンピングカーでもトラックキャンパータイプが増えています。
また、コロナ禍になって急速に需要が高まっているワーケーションのキャンピングカーや、移動オフィスとして使う“オフィスカー”というスタイルも生まれました。
先日開催されたジャパンキャンピングカーショー2021でも、さまざまな個性あふれるキャンピングカーが展示されていました。そんな中から、&GPが注目した個性派を6台紹介しましょう。
1. WHITE HOUSE CAMPER「シトロエン ベルランゴ キャンパー」(367万7500円〜)
2019年10月に発売されたデビューエディションはわずか5時間半で完売。そして昨年8月から正式予約がスタートしたシトロエン ベルランゴ。これまでホンダ フリードやトヨタ ヴォクシーなどにポップアップルーフを架装した車中泊仕様車を数多く作ってきたホワイトハウスキャンパーが、早くもベルランゴのポップアップルーフ仕様を発売しました!
ポップアップルーフは大人2人がゆったり寝転がれるスペースを確保。さらに運転席の後ろにフラットベッドも設置できます。
フラットベッドの下には収納が2つ付いていて、オプションでスライド式のアウトギャレーを選ぶことも可能。
ベルランゴキャンパーと同時に、プジョー リフターのポップアップルーフ仕様(389万7500円〜)も登場しました。異なる個性のフレンチMPV 2モデルなら、ひと味違うキャンプサイトが作れること間違いなしです!
2. ADRIA「SONIC SUPREME 710 SL」(1592万8000円)
スロベニアのキャンピングカーブランド“アドリア”の高級モーターホーム、ソニックシリーズ。シュープリーム710SLは全長7520×全幅2320×全高2960mmというフルサイズボディの中にファーストクラスの快適性を盛り込んだ、至高のキャンピングカーです。
運転席と助手席は回転シートになっていて、目的地に着いたら後ろのソファと向かい合わせにしてくつろぐことも。
リビングの後ろは広々としたギャレー。その後ろにはトイレとシャワールームが独立して設置されています。その奥が常設ベッドルーム。ベッドルームの下がトランクスペースになっていますが、ここだけで軽キャンパーの居住スペースくらいありそうな広さです。
ベース車両はフィアット デュカト。搭載エンジンは2.3Lディーゼルターボで、トランスミッションは9ATに。仕様も値段もビックリですが、一度でいいからこんな贅沢なモーターホームで優雅な旅を楽しんでみたいものです。
>> ADRIA
3. MYSミスティック「Mini POP Bee」(318万100円〜)
軽トラックの荷台に部屋を積んだトラックキャンパースタイルのミニポップビー。走行中はコンパクトに収まり、滞在先に着いたらポップアップを上げて広々空間が出現! 室内で大人が立って移動することも可能です。
キャビン上のバンクベッド部分には大人2名が就寝可能。ダイネットをベッド展開すれば大人1名、子供1名で寝ることができます。
居住スペースは備え付けで、キャビン後ろの壁は切り取ってあるので、軽トラックながらシートをリクライニングさせられます。移動中にちょっと休みたい時にも便利ですね。
このミニポップビーはハイゼットをベースにタフなアウトドア仕様にカスタム。グリルやタイヤがいい雰囲気! ハイゼットのほか、キャリイをベースに製作することも可能です。
>> MYSミスティック
4. 岡モータース「ミニチュアクルーズ遍路」(238万7000円〜)
2人でゆったりと旅ができる軽キャンピングカーを目指して開発されたミニチュアクルーズシリーズ。コンパクトな中に大きなベッド、シンク、大型キャビネットなどを機能的に配置したモデルです。
面白いのはファブリックや木材の素材を変えることで、複数のバリエーションを用意していること。写真のモデルは畳調のファブリックと和風のキャビネットを配置した、その名も「遍路」。なんと四国八十八ヶ所を巡るお遍路の旅に出ることを想定して設計されていて、金剛杖を収納できるホルダー、白衣や菅笠をかけられるフックなどもついています。
キャビネットの丸障子や床柱、間接照明がついた飾り障子など、随所に施された和テイストが旅に安らぎを与えてくれそう。
他にもジャパンデニムをテーマにした“デニム”や、アースカラーで優しい雰囲気にまとめた“オリーブ”、ホワイトカラーで統一した“SV”などが用意されています。
>> 岡モータース
5. ケイワークス「ハイエース オフィスカー」(570万円〜)
コロナ禍でのテレワークはもちろん、移動できる事務所としてなど、キャンピングカー製作のノウハウをビジネスシーンで利用したいという声が急速に高まっています。
ケイワークスのハイエースオフィスカーは、ワークスペースとしてはもちろん、現場で作業員が熱中症になったときの救護スペース、災害時の支援センターなどでの利用も想定したものになっています。
290W仕様の太陽光パネルとリチウムイオンバッテリーにより、エンジンを切っていてもエアコンを5時間以上稼働できる安定した電力供給ができるのが最大の特徴。車内にはさまざまな電子機器が使えるよう、ACコンセントが9か所つけられています。
車内にテーブルを設置した場合、室内高が限られるため頭上の圧迫感が大きくなるケースも多いのですが、このハイエースはルーフが全体的に上がるポップアップルーフになっているので、車内で立つことも可能。また、椅子の配置を変えることで最大5名でのミーティングもできるようになっています。キャンピングカーメーカーならではの技術とアイデアがふんだんに入った仕様ですね。
6. ケイワークス「N-VAN オフィスカー」(280万円〜)
こちらはホンダN-VANをベースにしたオフィスカー。オフィスは1人で使用するので広いスペースはいらない、コストを抑えてオフィスカーを導入したい、という人に最適な仕様です。
荷室部分に折りたたみ式のチェアとデスクを設置。どちらも格納時はかなり薄いので積載スペースが大きく犠牲にならないのが特徴。N-VANはもともと室内高が高いので、ポップアップルーフがなくても頭上の圧迫感は少なくなっています。
電源は最大1500Wまで使用可能。オプションでソーラーパネルを付けることもできます。
>> ケイワークス
<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>
高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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- Original:https://www.goodspress.jp/features/365373/
- Source:&GP
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