サイトアイコン IT NEWS

Clubhouseがクリエイター6万人以上に投げ銭機能「Payments」を提供開始

Clubhouse(クラブハウス)は、2021年4月初旬にテストを開始して以来、クリエイター向けの初の収益源となる機能「Payments」へのアクセスを急速に拡大している。また同時期にClubhouseは、「小規模なテストグループ」のクリエイターに、同社のソーシャルオーディオアプリを通じてファンやサポーターからの支払いを受け付ける機能を提供すると発表している。この機能を通して送金された金額は100%クリエイターが受け取ると、Clubhouseは当時述べていた。テストはわずか1千人のユーザーから始まったが、Clubhouseは、米国内の6万人以上のユーザーにPaymentsをロールアウトしたと、毎週行われる「Town Hall」イベントで述べた。また、今後数週間のうちに、すべてのユーザーにPayments機能をリリースする予定だという。

関連記事:Clubhouseが同社初となるクリエイター用収益化機能をテスト開始

現在、Twitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)、Spotify(スポティファイ)、Reddit(レディット)、Discord(ディスコード)、さらにはLinkedIn(リンクトイン)などの企業からあらゆる面で挑戦を受けているアプリの開発ペースとしては、非常に速いものだ。Clubhouseは送金機能をより迅速にロールアウトすることにより、より幅広いオーディエンスにリーチできるライバルアプリに移ってしまう可能性のあるトップクリエイターを、なんとか引き留められるかもしれない。

関連記事
Clubhouse対抗の「Twitter Spaces」が2021年4月一般公開へ、専用ツイートの可能性も
フェイスブックがClubhouseクローンのライブ音声SNS機能を開発中
DiscordがClubhouseのような音声イベント用チャンネルの提供を開始
LinkedInもClubhouse類似機能を開発中

Clubhouseのスクリーンショット

Clubhouseの「Town Hall」イベントで、共同設立者のPaul Davison(ポール・デイヴィソン)氏は、当初のテストを経て、今週末にはさらに6万6千人のクリエイターが支払いを受けられるようになったと述べた。送金するには、ユーザーは支援したいクリエイターのプロフィールにアクセスし、画面下部にある「Send Money」ボタンをタップする。すると、5ドル、10ドル、20ドル(約545円、1090円、2180円)などの金額を提示する画面が表示されるが、自分で金額を入力することもできる。この機能はStripe(ストライプ)を利用しており、現在のところ、デビットカードまたはクレジットカードが必要だ。

デイヴィソン氏は、クリエイターはユーザーが送金した金額を全額受け取るものの、取引に応じて支払われる手数料はパートナーであるStripeに支払われ、決済処理の手数料に充てられると改めて指摘した(つまり、Clubhouseは手数料をとらない)。またデイヴィソン氏は、自分のようなClubhouseのチームメンバーのプロフィールにはPayments機能が表示されているが、ユーザーは彼らにお金を送らないで欲しいと付け加えた。そのような寄付金はすべて慈善団体に寄付される、という以外は同氏はその理由を語らなかったが、App Storeでのアプリ内課金の仕組みに関係しているとのこと。

Apple(アップル)は数年前、アプリ内課金の手数料に関するルールに例外を設け、アプリを使ってクリエイターに寄付や投げ銭を送ることで事業者が利益を得ていない場合を対象としていた。そのためClubhouseは、現時点ではクリエイターからの(投げ銭の手数料による)収入は一切ないことを強調しており、送られた寄付金も保管しないことを強調している。

同社はまた、誰が最初にPaymentsにアクセスできるようになるかについての噂を払拭し、ユーザーがClubhouseで「クラブ」を始めていなくても検討されると述べた。その代わりに、最近アプリを利用しており、違反をしていないユーザーを優先していたとデイヴィソン氏は語った。それ以外は、初期テスターはほぼ無作為に選ばれたという。

アプリ内送金は、クリエイターとClubhouseの両方に収益をもたらす手段の1つに過ぎない。Clubhouseは、クリエイターやクラブのためのサブスクリプション、チケット制イベント、ブランド契約などの機能も検討している。

Clubhouseは「Creator First」プログラムの計画についても最新情報を提供した。2021年3月に同社が発表したこのプログラムは、クリエイターが最初の番組を始める際に、Clubhouseの支援を受けることができるというもの。選ばれたクリエイターには、機材の提供、プロモーションやマーケティングのサポート、ゲストのブッキングの支援、さらには収入も提供される。

関連記事:Clubhouseがクリエイター向けアクセラレータープログラム開始、スポンサー紹介もしくは月54.6万円の収入を保証

これまでにClubhouseには、興味を持ったユーザーから5千件以上の応募があったという。そこでリストを絞り込むため、4月23日から「パイロットシーズン」を開催し、まだ発表されていない60名のクリエイターが、3週間に1話のペースで番組を公開することになった。その後、審査員やClubhouseコミュニティからのフィードバックをもとに「Creator First」プログラムの参加者が選ばれる。最終選考に残った60名は、4月23日に発表されるとのことだ。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Clubhouse音声ソーシャルネットワーク

画像クレジット:NurPhoto / Contributor / Getty Images

原文へ

(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)

モバイルバージョンを終了