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養豚農家のDXを進めるEco-Pork、2つの技術実証事業を完了

養豚テクノロジースタートアップの株式会社Eco-Porkは、熊本県菊池市の「令和2年度菊池市アグリ技術実証事業」および農林水産省の「令和2年度農林水産業等研究分野における大学発ベンチャーの起業促進実証委託事業」での技術実証を完了した。

そしてこのたび、農水省の同事業において共同実証を行った、鹿児島大学 農水産獣医学域獣医学系 共同獣医学部 獣医学科 准教授 小澤真氏を顧問に迎えたことも併せて発表している。

2つの実証事業

2020年10月に採択された熊本県菊池市における実証事業では、「IoTカメラによる野生動物の侵入監視と遠隔監視」を目的に同市内の養豚農場にて、Eco-Pork開発のIoT温湿度センサーおよびIoTカメラシステムを活用。

豚舎内の温湿度把握と豚舎内外の映像確認により、夜間の見回りの削減など作業効率改善に寄与したことなどを2月に実証報告している。ちなみに、豚舎内の湿度は9:30~13:00の間で急激に低下し、55%を下回ったという。

2020年9月に採択された農林水産省の実証事業では、複数農場間のウイルス検知・感染症リスク情報から地域防疫強化を図る技術シーズ「養豚ウイルスの効率的検出・分離法」につき鹿児島大学と共に取り組み、3月末に実証報告を終えた。

このたび同社顧問に就任した小澤氏は、動物衛生学・ウイルス学を専門とし、養豚産業を脅かす感染症ウイルスの検出・診断・ワクチン開発に有用である培養細胞株を樹立したほか、豚感染症流行株の遺伝子解析を進め、より高感度なウイルス遺伝子検出法を確立するなど、養豚産業の発展に大きく貢献してきた人物。今後は、Eco-Porkが取り組む「養豚自働化」の開発・普及へ向け、動物衛生学・ウイルス学の見地から助言をしていくようだ。

Eco-Porkについて

Eco-Porkは、養豚農家の作業効率改善・生産性改善・疾病対策などをサポートし、豚肉の安全・安定供給と養豚産業の環境負荷低減の実現を目指している。そのための、養豚管理ソフトウェア・IoTセンサー・データ収集プラットフォームなどの開発や、養豚ビッグデータ解析およびそれを可能にする分析アルゴリズムの開発も手がける企業だ。

現在、養豚経営支援システム「Porker」を提供中。同サービスでは、PCやスマートフォンなどのモバイル端末に対応し、簡単な操作での農場データ・農場情報・農場作業のスケジュールやコスト管理などの記録・可視化が可能となる。また、個体を簡単に識別できる検索機能もあり、例えば、同時期に種付けした母豚をグループとして検索することなどができるという。もちろん、IoTセンサーを活用した監視・通知機能も実装している。

同社の本社は東京都内だが、今後の九州における上記実証事業のさらなる広がりと小澤氏含む鹿児島大学とのさらなる連携を見据え、2020年に鹿児島オフィス構えた。なお、2021年1月には、Googleのアクセラレータープログラム「Google for Startups Accelerator Class 3」に選出され、プログラムに参加している。

PR TIMES

(文・Higuchi)

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