サイトアイコン IT NEWS

まもなく発売! 最新「Xperia 1 III」は相変わらずの最高峰スペック

ソニーがXperiaの最新モデルを発表しました。「Xperia 1 III」「Xperia 5 III」「Xperia 10 III」の3モデルで、このうちXperia 1 IIIとXperia 10 IIIは、今年の初夏に日本を含む国・地域で発売されます。Xperia 5 IIIは、いまのところ日本での取り扱いは未定です。

▲4月14日に世界にむけて「YouTube」で発表。ソニーモバイルコミュニケーションズの岸田光哉社長が登場し、Xperiaの特徴について語った

Xperia 1 IIIとXperia 10 IIIは、開発中のモデルに少しだけ触れさせてもらう機会を得ました。ファーストインプレッションも含めて、進化のポイントを紹介していきます。

 

■世界初の可変式望遠レンズを搭載

6.5インチの4Kディスプレイを搭載するXperiaの最新フラッグシップ。デザインは前モデルのXperia 1 IIを継承していますが、業界トップクラスだった仕様が、さらに、しかも大きく進化を遂げています。

▲カラバリはフロストブラック、フロストグレー、フロストパープルの3色

▲開発中のモデルは操作はできず、外観のみを撮影させてもらえた。サイズは165×71×8.2mmで、重さは186g(Sub6モデル)。大画面ながらボディ幅が細く、片手で持ちやすい印象だ

まずはカメラ。背面には超広角+広角+ 望遠のトリプルレンズカメラを搭載。被写体との距離を細かく計測する「3D iToFセンサー」も備えています。大きく進化したのは望遠レンズ。世界初の可変式望遠レンズを採用し、焦点距離が70mmと105mmに切り替わる仕組み。つまり1台で、16mm、24mm、70mm、105mmで撮影できるわけです。

▲アウトカメラは超広角(12メガピクセル/F2.2/16mm)+広角(12メガピクセル/F1.7/24mm)+望遠(12メガピクセル/F2.3-F2.8/70mm-105mm)という構成。いずれもZEISSレンズ。インカメラはシングルで8メガピクセル

▲望遠レンズはペリスコープ(潜望鏡)構造。ズームレンズではなく、焦点距離を切り替える仕組み。AIによる超解像ズームを使えるので、16mmから105mmの範囲で鮮明に撮影できると期待していいだろう

▲カメラ部はわずかに出っ張っている。望遠レンズが存在感をアピール

すべてのレンズで高精度で追従するコンティニュアスAFが使えることも特徴。望遠レンズで撮影しても、動く被写体に素早くピントを合わせられます。毎秒最大60回のAF/AE演算が可能で、最大20コマ/秒のAF/AE追従連写機能も前モデルから引き続き搭載されています。

▲薄暗い場所で連写をしてもノイズリダクションが行われて、鮮明な画質で撮れる

なお、従来のXperia 1/1 IIには「カメラ」アプリに加えて、デジタル一眼ライクに撮影設定ができる「Photography Pro」というアプリが搭載されていました。Xperia 1 IIIでは、この「Photography Pro」に「カメラ」を統合。「Photography Pro」で「BASIC」モードを選択すると、従来の「カメラ」アプリと同様に、シンプルな操作性で写真や動画を撮影できるとのこと。

▲カメラアプリは「Photography Pro」に1本化

▲デジタル一眼カメラのように細かい設定でき、ユーザーが意図するイメージで撮れる

動画はソニー独自のアルゴリズムによる手ブレ補正を強化。暗い場所で歩きながらでも、なめらかな映像が撮影できるとのこと。映画のような趣きのある映像が撮れる「Cinematography Pro」も引き続き搭載。4K HDR 120fpsの美しいスローモーション撮影ができることも他社のモデルに比べた優位性と言えるでしょう。

▲多彩な効果を用いて映画のような動画が撮れる「Photography Pro」を引き続き搭載

 

■4K HDRディスプレイはリフレッシュレートが120Hzに

縦横比が21:9の有機ELディスプレイは、前モデルと同じく4Kで、HDRに対応。それだけでもトップクラスのスペックですが、さらにリフレッシュレートが最大120Hzになり、動画やゲームを楽しむには申し分のない仕様に。120Hzとは1秒間に120回画面表示が更新することを意味しますが、各フレーム間に黒い画面を挿入して、実質240Hzの残像低減技術を実現し、タッチ検出も240Hzで行われる仕組み。ゲームを楽しむための機能も強化されています。

▲前モデル(右)より上部のベゼル幅が細くなり、左右だけでなく、上下のベゼル幅も等しいシンメトリーデザインに

▲4Kでなおかつ120Hz駆動に対応したことは、動きの速い映像を見たり、ゲームを楽しんだりするには非常に有利

▲ゲームをより快適に楽しむための「ゲームエンハンサー」の機能も強化された

特筆すべき進化点は、まだあります。そもそもXperia 1 IIの音質は、スマホの中では群を抜くほど良かったのですが、Xperia 1 IIIでは、さらに音質向上が図られています。内蔵スピーカーは、フロント側に左右均等(横向きにした場合)に配置し、音圧を約40%向上。サブスクリプションの音楽も聴くときも、ストリーミング動画を観るときも、イヤホンなしで迫力ある音を楽しめます。

▲Dolby Atmosに対応した「フルステージステレオスピーカー」を搭載

対応のヘッドフォンを使うと、ソニー独自の「360 Spatial Sound」も楽しめます。通常のステレオ音源から、臨場感もある立体的な音場を作り出す仕組みで、自分の耳の形状に合わせた最適化も行えるとのこと。

▲上部には3.5mm穴のオーディオジャックを装備

▲臨場感あふれるサウンドを楽しめる「360 Spatial Sound」は音楽データのみに対応。映画の音声などには対応していない

内蔵スピーカーとヘッドフォン出力で音を聴かせてもらいましたが、昨年発売されたXperia 1 II/5 IIと比べて、はっきりわかるほど音質が向上しています。内蔵スピーカーは前モデルよりも音量をやや大きくでき、低音の響きから高音のボーカルまでクリアに聴こえる印象。「360 Spatial Sound」は、ライブ会場にいるかのような立体的な音を楽しめます。サウンドはスマホの一機能に過ぎませんが、これを目当てに購入するのもアリでしょう。

CPUは5G向けの最高峰「Snapdragon 888」を採用し、メモリはRAMが12GBで、ROMは256GBまたは512GB。Xperia 1 IIの5G通信方式はSub 6だけでしたが、Xperia 1 IIIはSub 6とミリ波の両方に対応するモデルも用意されます。ただし、販売する国・地域によって仕様が異なるそうで、日本向けモデルがミリ波に対応するかどうかは明らかにされていません。

バッテリー容量は4500mAhなので電池持ちも心配無用。3年使っても劣化しにくい技術が用いられています。ワイヤレス充電にも対応し、ワイヤレス充電対応の他のデバイスに “おすそわけ充電” 機能も備えています。これは、サムスンやファーウェイなどが搭載済みなので、ようやく他社に追いついたと言うべきでしょう。

▲右側面には上から音量キー、指紋センサーを兼ねる電源キー、Googleアシスタントを起動するアシスタントキー、カメラキーの順に搭載。アシスタントキーは、微かに埋没していて誤作動を防げる仕組み。カメラキーにはエンボス加工を施し、感触だけでわかる

▲左側面にはSIM/microスロット

▲底部にはUSB Type-Cポート

Xperia 1 IIIは、基本性能、ディスプレイ、カメラ、音質いずれも最高峰レベル。「ここが残念」「これがあったらいいのに」という死角は見当たりません。とにかく一番いいスマホが欲しい! という人は、期待してよさそうです。

 

■ミッドレンジのXperia 10 IIIも5Gに対応

同時に発表されたXperia 10 IIIは、ミッドレンジのXperiaとして初めて5Gに対応したモデル。前モデルのXperia 10 IIから、わずかにサイズダウンしながら、4500mAhの大容量バッテリーを搭載。Xperia 1 IIIと同じく3年使用しても劣化しない性質を備えています。

▲カラバリはブラック、ホワイト、ブルー、ピンクの4色

▲サイズは154×68×8.3mmで、重さは169g。Xperia 1 IIIよりも、さらにスリムで、片手でも操作しやすそう

▲バッテリー容量は前モデル(3600mAh)から4500mAhへの大きく増えた

ディスプレイは6.0インチの有機EL。縦横比は21:9で、解像度はフルHD+。このモデルからHDRにも対応します。

▲前モデルのXperia 10 IIとの差分は、HDRに対応したこと

背面のカメラは超広角(8メガピクセル/F2.2/16mm)+広角(12メガピクセル/F1.8/27mm)+望遠(8メガピクセル/F2.4/54mm)という構成。ミッドレンジで超広角でも光学2倍でも撮れるのですが、満足度は高いでしょう。

▲背面に超広角+広角+望遠のトリプルレンズカメラを搭載

被写体やシーンを自動で判別して最適な設定が行われる「プレミアムおまかせオート」は、新たに「ペット認識」にも対応。犬や猫を認識するとシャッタースピードが速くなり、ISO感度が最適化されるとのこと。メインの広角カメラは、夜景などをキレイに撮れるノイズリダクション機能も備えています。

▲ミッドレンジながら、必要十分な撮影機能を備えている

CPUはSnapdragon 690で、メモリはRAMが6GB、ROMが128GB。5G通信方式はSub6のみ。多くの人が求める機能とスペックを備えた、まさにスタンダードモデルという印象です。価格は発表されていませんが、ミッドレンジらしい価格で発売されたら、大ヒットするかもしれません。

▲右側面に音量キー、指紋センサーを兼ねる電源キー、アシスタントキーを搭載

▲左側面にSIM/microSDスロット。軽くて、片手で扱いやすそうな印象

▲上部にイヤホンジャックを搭載

▲底部にはUSB Type-Cポートを備える

 

■Xperia 5 IIIは、いまのところ日本発売は未定

日本発売は未定ですが、グローバル向けにはXperia 5 IIの後継にあたるXperia 5 IIIも発表されました。6.1インチの有機ディスプレイを搭載するモデルで、Xperia 1 IIIと同様に、前モデルから進化を遂げています。

▲Xperia 5 IIIの国内発売は未定

日本では従来、夏モデルとしてXperia 1/1 IIがリリースされ、秋冬モデルとしてXperia 5/5 IIがリリースされていました。あくまでも筆者の期待を込めた推測ですが、秋以降にXperia 5 IIIも日本で発売される可能性はなくはないでしょう。

>> Xperia

 

<取材・文/村元正剛(ゴーズ)

村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。

 

 

【関連記事】

◆2〜3万円台で買える!3大キャリア最安5Gスマホの性能はどれも必要十分!
◆コールマンとのコラボも実現! タフネススマホ「TORQUE」が5Gに進化!
◆今春は通信プラン見直しの好機! 何が変わった?どれを選べばいい?

モバイルバージョンを終了