米国時間4月14日、Instagram(インスタグラム)は、ユーザーの投稿の「いいね!」数を非表示にするテストを開始する。2019年に始めた実験に続くものだ。しかし今回Instagramは、機能を有効または無効にするユーザーを増やすのではなく、どちらが自分にとって良いかをユーザーが判断する新しいオプションを試す。他人の投稿の「いいね!」の数を見たいか見たくないかだ。ユーザーは自分の投稿の「いいね!」数を非表示にすることもできる。会社は、類似の体験をFacebook(フェイスブック)でもテストを開始することを正式に発表した。
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Instagramによると、「いいね!」数に関連するテストは、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行以来優先度が下げられていた。コミュニティのサポートに必要な他の作業に集中するためだ(ただし2021年3月の短期間、Instagramはバグのために誤って「いいね!」数を隠してしまったことがあった)。
現在、テスト中に集めたフィードバックを再読しているところで、さまざまな意見があったと同社は語った。当初、「いいね!」数を隠すというアイデアは、Instagramにコンテンツを投稿する際の不安やためらいを和らげることが目的だった。つまり、自分の投稿が「人気がある」と認められるだけの「いいね!」を獲得できるのかというストレスだ。この問題は友達がどう思うかに敏感な若いInstagramユーザーにとって特に深刻だった。「十分」な「いいね!」がつかなかった投稿を削除することもあるほどだ。
さらに、「いいね!」の排除は、人々がコンテンツそのものを判断するのではなく、すでに人気のある投稿に「いいね!」をつける一種の集団心理を和らげる効果もある。
しかしテスト中、「いいね!」の非表示が良い方向だという考えに誰もが賛成したわけではなかった。トレンドや人気の記事を追いかけるために、やはり「いいね!」数が欲しい、という人もいた。「いいね!」の存続を巡る議論は、インフルエンサー・コミュニティの間で特に高まった。クリエイターたちはブランドや広告主などのパートナーに自分の価値を示す指標として「いいね!」数を使っている。投稿の支持が下がることが、直接クリエイターの減収に繋がることがある世界だ。
「いいね!」数の有無にはそれぞれメリットがあり、Instagramがその選択をユーザー自身の手に委ねるテストをしているのはそのためだ。
新しいテストは、全世界のInstramユーザーの小さなパーセンテージで有効になる、と会社は言っている。
テストの対象になると、アプリの設定画面に「いいね!」を非表示にする新しいオプションが追加されている。これによって、Instagramフィードをスクロールしている時、他ユーザーの投稿の「いいね!」が見えなくなる。クリエイターは、画面上部のその他メニューから、投稿毎に「いいね!」を隠すことができる。「いいね!」が全体に対して非表示であっても、クリエイター「いいね!」数やその他の情報をアナリティクス画面で見ることができるのは以前と変わらない。
Facebookは以前から「いいね!」数の非表示テストを行っているが、今回はまだ始めていない。FacebookはTechCrunchに、数週間以内に開始する予定だと語った。
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「いいね!」数を選択可能にすることは、全員のニーズを満たすのに役立つように初めは思えるかもしれない。しかし現実には、有力なインフルエンサーたちが「いいね!」を人気と仕事のチャンスに変換可能な通貨のように使い続ける限り、他のユーザーも同じことを続けるだろう。
最終的に、どんなトーンにしたいかはコミュニティ自身が、できれば当初から決める必要がある。後で方針を変更したときに怒り出すユーザーが何百万人も集まる前に。
もう1つ、そもそもソーシャルメディアユーザーが「『いいね!』のない」安全な空間を望んでいるのか、という疑問もある。「アンチInstagram」的なものを作ることに焦点を当てたスタートアップを何年も見てきた。Instagramのアルゴリズムによるフィードや「いいね!」などの反応機構をいくつか取り除いたMinutiae、VeroやDayflashやOggl、さらには新参の問題を抱えるDispoや、潜航中のHerdなどだ。しかしInstagramがアンチInstagramのライバルによって失敗したことはない。脅威になるとすれば、TikTokのようなまったく新しいタイプのソーシャルネットワークだろう。そこでは今も、「いいね!」などの反応を得ることがクリエイターが成功する重要な要素だ。
Instagramは新しいテストがいつまで続くのか、いつもっと広く公開されるのかを明らかにしていない。
「このテストはまずInstagramで始めますが、同様の体験をFacebookでも検討しています。この小規模なテストで学習した結果を、近々詳しくお話できるでしょう」とFacebookの広報担当者は言った。
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(文:Sarah Perez、翻訳:Nob Takahashi / facebook )