Facebook(フェイスブック)は米国時間4月15日、ニュースフィード上で企業を発見するための新しい機能のテストを米国で開始すると発表した。この機能が導入されると、ユーザーはニュースフィード上の投稿や広告の下に表示されるトピックの中から興味のあるものをタップして、企業の関連するコンテンツを探すことができるようになる。Facebookは最近、Apple(アップル)の「App Tracking Transparency(ATT)」導入がどれほど中小企業に影響を与えるかということを巡って論争を続けている。この主張は、多くの人が誤解を招くものとして否定しているが、それにもかかわらず、一部の家族経営のような小規模な店舗は、広告ターゲティング機能への影響を懸念している。今回始まった新しいテストは、Facebookがニュースフィードを調整することで、必要であればより多くのユーザーデータを容易に構築することができると示す一例だ。
同社によると、ユーザーは、美容製品、フィットネス、衣料品などを販売する企業の投稿や広告の下に、この変更を目にすることになるという。
つまりこれは、ユーザーが関連するコンテンツを見つけようと特定のアクションを起こした際に、Facebookがニュースフィード機能を使って関連するビジネスにユーザーを誘導するというものだ。これによってFacebookは、どのユーザーがクリックして関連コンテンツを見ようとしたか、どのような企業に関心を持ったかなど、ユーザーに関する新しいデータのセットを作成できる。将来的には、この機能を広告に転換し、企業が高い掲載率を得られるようにすることも可能だろう。
「人々はすでにニュースフィードをスクロールしながら企業を発見していますが、この機能によって自分では見つけられなかった新しい企業を発見し、検討することが容易になるでしょう」と、Facebookは簡単な発表の中で述べている。
Facebookは今回のテストについて、今後の詳細な計画は発表しなかったが、ユーザーがこの機能をどのように利用するかがわかれば、より多くのユーザーや企業にこの体験を拡大していくと述べている。
このテストのニュースと併せて、Facebookは2021年4月中にビジネスオーナー向けのツールをさらに展開することも発表した。その中には、FacebookとInstagram(インスタグラム)の両方にStories(ストーリーズ)を作成、公開、スケジューリングする機能や、スケジューリングされた投稿を変更・編集する機能などが含まれる。また「Facebook Business Suite(フェイスブック・ビジネス・スイート)」からFacebookの写真やアルバムを作成・管理する機能や、Business SuiteのモバイルアプリからFacebookとInstagramの投稿を作成し、下書きとして保存する機能も、遅れて追加される予定だ。
他のビジネス関連のアップデートとして、Facebookは、Lead Ads(リード獲得広告)、Call Ads(電話発信広告)、Click to Messenger(Messenger誘導広告)や Lead Generations(Messengerでのリード獲得)など、企業と顧客のつながりに焦点を当てた広告製品の機能をアップデートした。
Facebookは2021年初め、企業がビジネスプロフィールを使って投稿、コメント「いいね!」などの活動を行ったり、専用のニュースフィードにアクセスすることができる新デザインのFacebookページを発表した。このリニューアル時には、ページの「いいね!」ボタンが廃止され、フォロワー数に重点が置かれるようになった。
この時期にFacebookが中小企業向けのツールを宣伝しているのは偶然ではない。近い将来、FacebookのiOSアプリでユーザーが追跡を「許可しない」を選ぶようになると、広告ターゲティング機能の精度が低下して、Facebookのプラットフォームが中小企業経営者にとって有益でなくなるのではないかと懸念されているからだ(その多くは、Facebook自身が声高に叫んでいるのだが)。
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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)