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iOS14の新プライバシー方針は「原子爆弾」と開発者

Apple プライバシー
 
iOS14では近く「App Tracking Transparency(アプリケーションのトラッキング申告)」が導入され、企業がアプリやWebサイトを通じてユーザーのデータを追跡する場合、事前にユーザーの許可が必要となります。
 
この新方針がアプリ開発会社に与えるダメージについてTenko Gamesの最高経営責任者(CEO)であるアダム・ジェフ氏は「まるで原子爆弾」と述べています。

十年前まで逆戻り

Tenkoの売れ筋である“Underworld Football Manager”の昨年の売上高は350万ドルでした。しかし新方針の導入により、今年はiPhoneユーザーからの売上は約20%落ちる見通しです。
 
元プロサッカー選手で、現在は他のゲームスタジオのコンサルタントも務めるジェフ氏は嘆きます。「まるで原子爆弾だよ。マーケティングをどのように行うか、再考しなければならないのだから。いや再考どころか、十年前まで逆戻りだ」

IDFAが使えない

広告主はこれまで、Appleがユーザーのモバイル端末に割り当てているID(IDFA、Identifier for Advertisers)を、ユーザー識別やユーザー行動の計測に利用してきました。しかし新方針導入後はユーザーの許可なくIDFAを使用することができなくなります。
 
ゲーム開発者のマーケティングを支援するFacebookは以前よりAppleの新方針に強く反対しており、IDFAを使った個人向け広告が打てなくなれば、ゲーム会社の売上は60%以上減少する可能性があると主張してきました。

iOSデバイス向けの広告価値は低下する

たとえばTenkoのサッカーゲームを販売するために、Facebookは過去にスポーツゲームをプレイし、課金した履歴のあるユーザーをIDFAによって識別、ターゲティング広告を打ちます。こうした情報は非常に有用であり、広告の価値も高めます。
 
iOS14で新プライバシー方針が適用されれば、広告の価値が低下、広告費も半分以下に下がると予想されています。

中小デベロッパーは不利になる

ジェフCEOはTenkoのゲームは新方針導入後も生き残ると考えていますが、今後はiOSよりもAndroidデバイスユーザーに向けたマーケティングに力を入れていくと述べています。
 
しかしTenkoのような中小規模のデベロッパーは、IDFAが使えなくなることで、大手と比べて断然不利な立場に立たされると専門家は見ています。例えばTencentやUbisoftなどの大手は数多くのゲームを持つため、自社ゲーム内で別の自社ゲームを宣伝できるうえに、膨大なユーザーデータを自社で所持しているからです。

 
 
Source:Bloomberg
(lunatic)

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