Zoomと統合してリモート教育をもっと洗練させるEdTechスタートアップのClassが、新たに1225万ドル(約13億2500万円)を調達した。このラウンドではSalesforce VenturesとSound Ventures、そしてアメフトのスーパースターで2021年のスーパーボウルでMVPを獲得したTom Brady(トム・ブレイディ)氏が投資した。
Classの創業者でCEOのMichael Chasen(マイケル・チェイスン)氏は、SalesforceのCEOであるMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏がClassに投資を持ちかけてきたと語る。Classが起業した1カ月後の2020年10月に、Salesforce VenturesはEdTech企業やクラウドエンタープライズ企業を支援する1億ドル(約108億円)のインパクトファンドを立ち上げた。
トム・ブレイディ氏がEdTechの世界に参入していることについてチェイスン氏は、ブレイディ氏は過去にもテック業界に投資をしており「3児の父として教育を通じて人々を支援することに情熱を持っている」と述べた。
チェイスン氏は「トム・ブレイディも私も子どもが3人いて、どの親もそうだと思いますが、我々も教えたり学んだりするためのツールをZoomに追加する必要があると感じています」と補足した。
Classは1年未満で5800万ドル(約62億7000万円)を調達した。2020年9月のシードラウンドでは1600万ドル(約17億3000万円)、2021年2月のシリーズAでは3000万ドル(約32億4300万円)を調達している。今回の資金調達はシリーズAより小規模だが、これは必要に迫られてというよりは戦略的に投資家を呼び込む意図が大きかったと見られる。
調達した資金はClassを世界中のK-12や高等教育機関に展開するために使われる。ClassのソフトウェアはMac版が数カ月前に公開され、Windows、iPhone、Android、Chromebook版は今後数週間以内にベータ版を提供する予定だとチェイスン氏は述べた。提供される製品が増えれば、Classの採用に興味を示している約7500校をさらに増やすのに有利に働くだろう。
Classにとって、そしてeラーニングのソリューションを教育機関に販売するスタートアップにとっての高いハードルは、コロナ禍収束以降の実用性だ。教育機関の慣習として形式主義によりソフトウェアの採用に時間がかかるが、チェイスン氏によればClassの顧客はK-12も高等教育機関も積極的に同社のツールに予算を取っているという。Classの価格は児童・生徒・学生数に応じて年間1万ドル〜6万5000ドル(約108万円〜700万円)だ。
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チェイスン氏は2021年2月に「予算の問題にぶつかったことは一度もありません。高等教育機関はすでにオンライン学習への第一歩を踏み出して次に歩を進めようとしていますが、K-12は第一歩を踏み出しつつあるところです」と述べていた。Classの顧客は125校 / 社以上となっており、K-12と高等教育機関が半々で、顧客のうち10%は企業だ。
Zoomユニバーシティ、つまりZoomなどを使ったオンライン授業を変えようとしているスタートアップはClassだけではない。多くの企業が、せいぜいギャラリー表示でおしゃべりをしている程度の現在のビデオ会議ソリューションに疲れている学生と教員の市場に寄与しようとしている。トラクションを獲得している企業としては、Engageli、Top Hat、InSpaceの3社がある。
それぞれのスタートアップが独自の戦略と製品を有しているが、スタートアップの創業者たちはみんな、同じ質問に答えなくてはならない。コロナ禍の収束後、デジタル学習を単なる予備の手段ではなく、教育と理解のための望ましいあり方にすることができるだろうか?
この問いかけに対する追求は続いているが、Classはその答えがイエスであると信じる人々を採用するのに苦労していないことを示すニュースが発表されている。わずか9カ月で同社の従業員は2人から150人以上に増加した。
カテゴリー:EdTech
タグ:Class、資金調達、オンライン学習、Zoom、投資
画像クレジット:Bryce Durbin / TechCrunch
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(文:Natasha Mascarenhas、翻訳:Kaori Koyama)