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【レビュー】アップルの最新位置情報デバイスAirTagの第一印象

Apple(アップル)の新しい位置情報デバイスAirTag(エアタグ)を、手に入れてから数時間使っているが、ほぼ宣伝文句通りに動作しているようだ。セットアップの流れは、AppleがAirPods(エアポッズ)用に開発したものから明らかな影響を受けたシンプルでクリーンなものになっている。U1チップで実現されている精密検索機能は、実用性指向の拡張現実(AR)の実用的な例として機能していて、画面上に仮想矢印やその他の視覚的な識別情報を表示することで、AirTagをすばやく見つけさせる。

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あまりお馴染みではない方のために説明すると、AirTagの基本的な仕組みは、Bluetooth(ブルートゥース)のビーコン技術を利用して、iOS 13以上を搭載した近くのデバイスに自分の存在を知らせるというものだ。これらの静かな「発信」は暗号化されていて、通りすがりの人には(通常は)検知されない(特にオーナーと「一緒にいる」場合には)。つまり、どのデバイスが実際にAirTagを「見つけた」のかは、Appleも含めて誰にもわからないのだ。

画像クレジット:Matthew Panzarino

ちなみに「一緒にいる」とは、AirTagが登録されているものと、同じiCloud(アイクラウド)アカウントにサインインしているデバイスが、近くにあることを意味している。Bluetoothの通信範囲は、その場の状況や信号反射にもよるが、一般的には40フィート(約12.2メートル)程度だ。

個人で非常に限られたテストしかしていないが、AirTagの位置特定範囲は、Bluetoothの基本的な期待値に沿っている。つまり、たくさんの障害物や壁、信号反射の阻害などによって、阻まれる可能性がある。例えば別の部屋にあるAirTagからの最初の位置情報を取得するのに30秒以上かかることもあった。とはいえ、位置情報を受け取った後は、デバイスの位置を特定するための指示がすぐに更新されて、数インチ(数センチ)単位で極めて正確に表示されるようになった。

近くのAirTagを探すのはこんな感じ

AirTagは、ユーザーが交換可能な標準的なCR2032ボタン電池で1年間動作する。ある程度の時間、水に浸かっても大丈夫な程度の防水性も備えている。バッグ用のレザーストラップや、ラゲージタグ、キーリングなど、デザイン性の高いアクセサリーがたくさん用意されている。また、たくさん寄せられた質問にお答えしておくなら、この機能はなぜか新しいApple TVのリモコンには搭載されていない。

分解されたAirTagの写真からは、Appleのハードウェアへの強いこだわりを見ることができる。ケースの中の電池接点は、小型機器にありがちな単純な折り曲げ式の突起ではなく、ケース内部の留め金と3つの圧力接点を介している。これによって、バッテリー交換時のねじれや曲がり、経年劣化による接触不良などが起こりにくくなり、デバイスの長寿命化が期待できる。

画像クレジット:Matthew Panzarino

ここまではいい感じだ。さらにテストを重ねていく予定だ。

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保護機能

位置情報に関連する製品なら何でもそうだが、AirTagsにとってもセキュリティとプライバシーは最重要課題であり、Appleはいくつかの保護措置を講じている。

AirTagを共有することはできない。AirTagは特定の1人が所有することを想定している。自分のiCloudファミリー共有グループに入っている他のメンバーができることは「近くに未知のAirTagがある」という警告を自分のデバイスに出ないようにすることだけだ。そのため、AirTagは共有鍵や、家のペットなどに使う際にも便利だ。他のiOSデバイスのように、家族の「探す」アプリにAirTagが表示されることはない。「Find My(探す)」アプリ内にはすでに「アイテム」専用のセクション「持ち物を探す」が設けられていて「探す」機能が組み込まれたアイテムもそこに入る。

画像クレジット:Matthew Panzarino

持ち主としばらく離れていたAirTagは、動かされる度に音を鳴らすようになる。この「しばらく」というのは現在は3日間に設定されているが、変えることが可能だ。またAirTagの使われ方を観察して、将来的にはAppleがデフォルトを調整するかもしれない。この機能によって、近くにいる人にその存在を知らせることができる。

画像クレジット:Matthew Panzarino

その他のプライバシー機能としては、AirTagが持ち主の近くではなく、他者である誰かの近くに置かれた場合、しばらくしてからその他者に「警告」する機能がある(例えば、バッグやクルマの中に入れて一緒に移動した場合など)。そのときその他者は、AirTagの位置を特定するために音を鳴らしたり、シリアル番号などの情報を調べたり、電池を外して動作を止めたりすることができる。

もちろん、AirTagを紛失モードにして、警告音を鳴らしたときにAirTagを見つけた人と個人情報を共有することもできる。またAndroid(アンドロイド)を含むNFC搭載のスマートデバイスを持っている人なら、誰でもデバイスにタッチすることで、そのAirTagのオーナーが選択した情報が掲載されたウェブページを見ることができる。もしそうしたくなければ、単にシリアルナンバーだけでも良い。

このシナリオは、自分の前に他人のAirTagがあることを知らせてくれるiOSデバイスを持っていない場合を想定している。もし紛失モードになっていなくても最終的にはAirTagは音を鳴らすことになり、AirTagオーナーはそれをコントロールすることができない。

画像クレジット:Matthew Panzarino

Appleが多くのエッジケース(極端な場合)を考慮していることは明らかだが、出荷が進むにつれて、何らかのケースが出てくる可能性があるので、それを見守る必要がある。

アップルには、市場における明確な優位性がある。

なお、Appleは、ウルトラワイドバンド(UWB)無線を搭載したサードパーティー製デバイスが、iPhoneに搭載されているU1チップにアクセスできるように、チップセットメーカー向けの仕様の策定を「2021年春以降」に行うと発表している。これにより、AirTagのようなU1を内蔵していないアクセサリーでも検索機能に対する精度が上昇することが期待される。もちろん、AppleはAirTagと同様の基本的な検索機能を提供したいと考えているBelkin(ベルキン)、Chipolo(チポロ)、VanMoof(バンムーフ)などのサードパーティー製デバイス向けに、「Find My(探す)」メッシュネットワーク全体を開放している。Tile(タイル)は、Apple社の優位性がこの市場への参入を不公平なものにしていると先の議会で証言したものの、UWBバージョンのトラッカーも提供する計画を発表した。

もしAirTagsが屋外で紛失してしまったらどうなるかを見るのが楽しみだ。手に入れてからまだ12時間も経っていないので、エッジケースや公共スペースでの一般的な実用性などをテストすることがまだできていない。

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デバイスは日本時間4月23日午後21時から発売の予定だ。

画像クレジット:Matthew Panzarino

カテゴリー:ハードウェア
タグ:AppleトラッカーAirTagレビュー

画像クレジット:Matthew Panzarino

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:sako)

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