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穴を見つけて糸を垂らすだけ!簡単に高級魚をゲットできる「穴釣り」の魅力

アウトドアの大ブームに歩を合わせるように、注目度がアップしているアクティビティといえば“釣り”でしょう。気温だけでなく水温も徐々に上がり、釣り物が俄然増えてくる春シーズン。その手軽さに加え、釣って楽しい&食べて美味しいと、その魅力に気付いてしまったという方も多いのではないでしょうか。

今回は誰にでも簡単に釣れる「穴釣り」で、食べても美味しい人気の魚「カサゴ」を狙いに行きます。どんなポイントで、どんな竿と仕掛けを持っていけばいいのか、釣行レポートを含めてご紹介します。

■落とすだけの簡単な釣りを繰り返すべし!

「穴釣り」といえば、湖一面に張った氷に穴を開けて糸を垂らすワカサギ釣りをイメージされる方が多いと思いますが、実は海釣りにおいても知る人ぞ知る定番のスタイル。釣り方は至ってシンプルで、テトラポット(消波ブロック)の隙間や際に餌を付けた仕掛けを落とすだけ。落とした先の海中に魚がいれば、ほぼ9割方の確率で釣れるんです!

▲タックルは非常にシンプル。釣具屋で売っているセット物(2000円前後)で充分です

ターゲットとなる「カサゴ」は、釣り人の間ではから揚げや味噌汁の具になるために生まれてきたといわれるほど美味しい魚。関西では「ガシラ」、九州では「ガブ」とか「アラカブ」など呼ばれ方はいろいろ。針にかかったときの強い引きは、一度体験するとヤミツキになります。

▲こちらが今回のターゲット「カサゴ」。今が旬の魚です!

穴釣りのために用意するのは、竿とリール、そして釣り針と錘が一体になった仕掛け「ブラクリ」と、釣り餌となる「サバ塩(塩漬けにして身を締めたサバの切り身)」のみ。

釣り場の近辺にある釣具屋さんや船宿で、生き餌の「イソメ」を入手しておくのもありですが、釣り初心者の方にとっては恐らくガチの罰ゲームと同じほどの超絶ハード。そのイソメと同じか、それ以上に釣れることもあるサバ塩の方が、いかにお手軽なのか理解できるはずです。

▲こちらが「サバ塩」。釣りの際は身を少し削って、皮に身が残っているくらいに薄くします

▲仕掛けの「ブラクリ」に餌のサバ塩を付けた姿。この独特なシルエットが根がかり(海底の岩や障害物に引っ掛かる)を防ぎます

 今回の釣り方「穴釣り」は、テトラポットの際やテトラポットの隙間に、餌を付けたブラクリを落とすだけ。ブラクリが着底して魚が食い付いてこなかったら仕掛けを巻き上げて、落とす位置を変えてリトライします。これの繰り返しです。

なお、テトラの上は丸みがかっていることもあり、足元は非常に不安定。釣りに夢中になるあまり、仕掛けではなく自分が落ちてしまったらシャレになりませんので、くれぐれもご注意を。万全を期して滑らないシューズと、ライフジャケットを用意してお区のがベストです(釣り場によってはライフジャケットの装着義務があり、またレンタルしてくれるところもあります)。

また、いくら魚が釣れそうなポイントであったとしても、そこが立ち入り禁止区域に指定されていれば当然ながら入るのは厳禁。小学生でもわかるルールはしっかり守りましょう。

■穴釣りのポイント①「テトラポットの穴」

▲こんな場所が絶好のポイントになるんです

落とした先にカサゴがいれば即食いついてきて、竿先をググンッと引き込みます(魚がいなければ何の反応も出ません)。テトラの穴に落とし、さらにテトラの際を探る。ブラクリがテトラにぶつからず、すっと深く落ちていけば魚がかかる絶好のチャンスです!

■穴釣りのポイント②「テトラポットの際」

▲穴ではありませんが、障害物のそばが狙い目に

こんな感じでテトラ周りを何度か攻めてみた結果

はい、釣れました~! 大きく見えますが、実際は15cmちょっとと小ぶりなサイズ。海に返してあげました

■ポイントを次々と変える「ランガンスタイル」がおすすめ

穴釣りで釣果を上げるポイントは「頻繁に仕掛けの落としどころを変える」ということ。カサゴは海中であまり動き回らず、岩や障害物の影に潜んで餌が落ちてくるのを待つタイプなので、1匹釣れたらすぐに別の場所を探る、アタリ(魚が餌に食い付いたときに出る反応)がなければ即移動というのが鉄則になります。

▲テトラのない堤防でも、海底の状況によってはカサゴがいる場合があります

また、テトラや岩場がない堤防でも、海底に岩が転がっている場合や魚礁(魚が集まる障害物)があるところでも、穴釣りと同様の釣り方でカサゴが狙えます。釣りに行く前に、ネット等でカサゴが釣れているかどうか、釣れる場所かどうかを調べておきましょう。

穴釣りのポイントは「頻繁に仕掛けの落としどころを変える」ということ。カサゴは海中であまり動き回らず、岩や障害物の影に潜んで餌が落ちてくるのを待つタイプなので、1匹釣れたらすぐに別の場所を探る、アタリ(魚が餌に食い付いたときに出る反応)がなければ即移動というのが鉄則になります。

▲こちらは同行した編集が釣り上げたカサゴ。25cmオーバーの大物!

▲同じく同行した友人が釣りあげた根魚の「ソイ」。20cmオーバーの良型です

▲筆者も何とか持ち帰れるサイズ(23cm)のカサゴを釣ることができました!

■小さいカサゴはできるだけリリース

釣り方のコツや狙うべきポイントとともに、もうひとつ大事なことを。実はこのカサゴ、成長が非常に遅い魚。20cmになるまで約5~6年かかり、なおかつ産卵の際に産む卵の数も少ない(数千~1万程度。ちなみにアジやイワシは10万以上)ため、「やったー!釣れたー!」と根こそぎ持って帰ってしまうと、あっという間に根絶やしに…。15cmに満たない小さいサイズは、釣れてもすぐに逃がしてあげてくださいね。

▲リリースした分を含めると余裕の“つ抜け(九(ここのつ)を抜ける=10匹以上の意)”でした。

釣行日が4月中旬、前日までにまとまった雨が降っていたこともあり、水温はやや低め(13℃前後)だったんですが、筆者を含めて参加した4人全員が10匹以上の釣果。おかげさまで楽しい時間を過ごすことができました。

これからは気温とともに水温も上昇し、カサゴの活性もアップ=釣りの難易度がより一層低くなります。海辺でのレジャー時はもちろん、何なら釣りそのものを目的にしてもOK。今年の春夏シーズンは、ぜひ穴釣りにチャレンジしてみてください!

<取材・文/河西まさあき 写真/河西まさあき、下城英悟>

河西まさあき|フリーランスのライター、編集者。堤防での小物釣りと船からの中小物釣りに精通し、釣り歴は何だかんだで30年以上。好きな魚はカワハギ。

 

 

 

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