Appleでソフトウェアエンジニアリング担当上級副社長を務めるクレイグ・フェデリギ氏は、The Wall Street Journalのインタビューで、iOS14.5で導入される「アプリのトラッキングの透明性」について様々な質問に答えました。
ユーザーと開発者が互いに意思疎通できる機会
「アプリのトラッキングの透明性」とは、アプリが他社のアプリやWebサイトを横断して、あなたの行動を追跡する場合に、確認のメッセージを表示する機能です。
フェデリギ氏はこの新機能の導入に関して、「ユーザーが自身の決定を明確に理解している必要があるし、開発者もどのような目的でトラッキングを行うのかを説明しなければならない」と、コメントしています。
Appleは他社アプリのトラッキングを止めることはできない?
WSJのインタビュアーが、「なぜ“トラッキングをするな”という命令ではなく、“トラッキングしないように要求する”という柔和な表現なのか」とフェデリギ氏に質問すると、アプリトラッキングに関する興味深い事実が浮かび上がってきました。
開発者たちが発展させてきたフィンガープリントのようなテクニックもあり、アプリがトラッキングIDを作る方法については、鼬(いたち)ごっこなところがある。加えて、“それをやってはいけない”と言うことはポリシー上問題が生じる。それゆえ、システムレベルでトラッキングを阻止することはできない。だからポリシーレベルでやっている。
Appleのポリシーには、アプリが掲示する方法以外のやり方でユーザートラッキングを行っているのが発見された場合、App Storeからアプリを取り下げることも含まれます。
Apple純正アプリでは今のところプロンプト非表示
Appleが独自開発したアプリには、今のところ外部の企業とデータを共有するようなものは存在していないため、アプリのトラッキングの透明性のプロンプトは表示されないとのことです。
もし仮に今後、Apple純正アプリがトラッキングに相当するようなデータ共有を始めた場合には、プロンプトの表示は当然義務付けられる、とクレイグ氏は述べています。
Source:WSJ via AppleInsider
(lexi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania