あらゆる産業でロボットが活用されている時代ですが、オーストラリアのモナシュ大学がこのほど開発したのは果樹園で収穫を手伝うロボットです。
カメラや深層学習アルゴリズムを活用し、リンゴそのものや枝を傷めることなくもぎ取るというもので、農家にとって頼もしい存在となるかもしれません。
4本の指で優しくつかむ
このロボットはベース部分から伸びたアームの先に人の手を模したグリッパーがついています。搭載したカメラでリンゴの木をとらえ、どこにリンゴがあるのかなどをアルゴリズムが特定し、収穫するという仕組みです。
グリッパーは柔らかく、空気圧で動くようデザインされています。それぞれ独立して動く4本の指とサクションシステムでリンゴを優しくつかんで効率的にもぎ取ります。
その際は、リンゴそのものはもちろん、幹と枝の結合部分を傷めないようにも配慮するとのことです。
7秒で1個収穫
開発した機械・航空宇宙工学を専門とするチームによると、ロボットはカメラから1.2メートルの範囲にあるリンゴの90%を認識できるとのことです。
実際にリンゴ園で実施した収穫試験では、リンゴに付いてくるはずの茎がうっかり取れたケースが6%弱ありました。
また、まず半分のスピードで動かしたところ、リンゴ1個をもぎって収める作業にかかる時間は12.6秒でしたが、作業を合理化することで9秒に短縮することができました。そしてフル能力で動かしたところ、最終的に所要時間は7秒になりました。
発表ではこのロボットの実用化については言及がありませんが、開発チームは「オーストラリアの農業部門の労働力不足解決と生産性向上に役立つ」と話しています。
(文・Mizoguchi)
- Original:https://techable.jp/archives/153919
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:mizoguchi