Apple Watchで記録した心電図のPDFをWebフォームから送信すると、医師が無料で診察する「無料ネット外来」の開始を発表した、ニューハート・ワタナベ国際病院に、健康な人も心電図を送って良いのか?など、お話をお聞きしました。
Apple Watchの心電図を医師が無料で診断
日本でも、Apple Watchの心電図機能が2021年1月にようやく利用可能となり、手軽に心電図測定ができるようになりましたが、心電図を詳細に読むには、医師の専門知識が必要です。
そんな中、心臓血管外科・循環器内科を中心とした高度専門治療を行うニューハート・ワタナベ国際病院(東京都杉並区)が、Apple Watchの心電図アプリで取得したPDFデータをWebフォームで送ると、医師が無料で診断して返信する「無料ネット外来」を開始すると、4月27日に発表しました。
AppleWatch外来、はじめました
当院の無料ネット外来®で、Apple Watchの心電図Appで記録されたデータの受付を開始いたしました。#AppleWatchや心電図Appの操作方法についてのご相談はお受けできませんのでご注意ください#applewatch #心電図app #ニューハートワタナベ国際病院 #applewatch外来 pic.twitter.com/PQGhndbCJJ— ニューハート・ワタナベ国際病院 (@newheartW) April 27, 2021
本当に診断してもらえるのか、心電図を送ったら返事が来た!
本当に無料で医師の診察が受けられるのか?と興味を持った筆者が、Apple Watchで測定した心電図のPDFを送ってみたところ、数時間後にメールが届きました。
筆者の心電図については、不整脈はみられないものの、睡眠時無呼吸の検査を受けてみてはどうですか?というコメントをいただきました。
本当に医師からのコメントが届いたことに驚いたので、ニューハート・ワタナベ国際病院に取材を申し込み、色々とお話をお聞きしました。
Apple Watchで得られるデータの信頼性を確認し専門外来を開始
信頼できるデータが得られる心電計であることを入院された患者さんの記録などから確認しました。診断や病状の把握ができると考えて専門外来を開始しました。
反響は大きく、毎日ご相談を頂いております。ただ、ご相談されたい方や不安に思っている方はもっと多くいらっしゃると思うので、多くの方に知って頂けたらと思っております。
▼オンライン診察中の様子
心電図データは医師が確認して個別に返信。健康な方も送ってOK!
心電図のPDFを送って頂くのが前提となるのですが、そのPDFを医師が拝見し、説明や方向づけ(遠方であればお近くの専門医を受診したほうが良い等)を行って、個々にお返事をお送りしています。
普段健康でも脈がいつもと違う等と心配な方や、そのご家族や周りの方でも、心電図PDFをお送り頂ければ拝見します。
セカンドオピニオンにも活用可能
心房細動治療の対象となる患者さまに有効利用していきたいと思います。
初診時に、これまでは来院型検査で記録された心電図所見が必須でしたが、かならずしも必要ではなくなります。
遠方にお住まいの患者様を中心にオンライン外来を積極的に行っていますが、最新のデータをすぐに共有させて頂くことができます。同様に、セカンドオピニオンを行う際の判断材料にも活用できます。
また、従来の来院型の定期検査のみでは不十分であった心房細動治療後の経過観察に大いに役立ちます。治療結果の正確な判断(再発がないか?など)が可能になります。
▼「ウルフーオオツカ法」手術後に、病室で正常になった脈をApple Watchで確認している患者さん
あれ?と思ったら心電図を記録して早期発見・予防に活用して欲しい
心房細動の専門家としては、非常にありがたいです。心房細動の判定がいつでもどこでも簡単にでき、記録されるようになり、治療成績をより正確に把握できます。適応基準や治療法の改良につながります。
心房細動はとても怖い病気です。不整脈の症状を感じない人でも、心房細動が原因で脳梗塞を引き起こし、重症化する可能性は十分にあります。
Apple Watchを持っていらっしゃる方の特典として、あれ?と思ったらすぐに心電図を記録できる、そして習慣づけることで病気の早期発見・予防に役立てて頂けたらと思います。
PDF出力した心電図をアップロードするだけ
Apple Watchで「心電図」アプリを利用するには、Apple Watch Series 4、Series 5、Series 6の各モデルとペアリングされたiPhoneが必要です。Apple Watch SEは心電図アプリには非対応なのでご注意ください。
Apple Watchで測定した心電図データのPDFの出力方法は、詳しくご紹介した記事をご参照ください。
iPhoneからPDFデータを送信するなら、共有メニューから「”ファイル”に保存」して、iPhoneやiCloud DriveにPDFを保存しておきましょう。
ニューハート・ワタナベ国際病院のWebフォームで「ファイルを選択」から「ブラウズ」をタップして、保存したPDFをアップロードすると便利です。
Source:ニューハート・ワタナベ国際病院, PR Times
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-367614/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania