総務省は5月28日、SIMロックの原則禁止、eSIMの普及促進、キャリアメール持ち運びなどについて検討した有識者会議の報告書を公表しました。新たなガイドラインへの意見公募(パブリックコメント)も開始します。
「スイッチング円滑化タスクフォース」の検討結果を集約
総務省が公表した報告書は、携帯電話ユーザーの事業者乗り換えをスムーズにする方策を検討するために2020年11月に設置された「スイッチング円滑化タスクフォース」の議論をまとめ、3月末に公表した報告書案への意見を反映したものです。
議論されてきた事項について、以下の内容でまとめられています。
1. eSIMの普及促進
- eSIMへの対応が限定的な大手MNO3社でも、2021年夏をめどに導入
- MVNOがeSIMを利用しやすいよう、MNOは機能を開放する
- 事業者は、オンラインでの契約に際して利用者へのサポートを提供する
- MNOは、現行のSIMカードと同等のセキュリティを確保する
- オンラインでも契約できるよう、eKYCによる本人確認を行う
2. SIMロックの原則禁止
- 端末代金を一括払いやクレジットカードで支払っていれば不払いなどの可能性が低いとして、SIMロックが解除された端末を渡す
- 各事業者は、テレビCMやネット広告などでSIMロック解除を積極的に周知・情報発信する
- SIMロックを設定して販売された端末は、Webサイトなどで簡単に確認できる手段を提供する
3. キャリアメールの持ち運び
- 希望する利用者に対し、2021年中をめどにできるだけ速やかに実現(報告書案から1年前倒し)
- MVNOを含めた事業者に、オープンかつ公平な仕組みとする
- 乗り換え前に加入していた事業者が管理する「変更元管理方式」が望ましい
- 有料サービスとする場合も、利用者の負担が大きくなりすぎないよう配慮する
4. MNPの円滑化
- 現在の、転出元と転入先の両方で手続きが必要な「ツーストップ方式」から、諸外国でも一般的な転入先だけで手続きする「ワンストップ方式」への移行が望ましい
- 解約時の重要事項説明、システム改修などの課題について、協議を継続する
- 今後2年以内の実現を目指す
5. 解約方法を検索結果に表示されにくくしていた問題
- NTTドコモ、KDDIが解約方法を検索結果に表示されにくくしていた問題が再発しないよう、禁止の徹底をはかる
改正ガイドライン案への意見公募を受け付け
総務省は、スイッチング円滑化タスクフォース報告書の公開に対応して新ガイドラインの案を公開し、意見募集を行います。
案が公開されたのは、「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」と「eSIMサービスの促進に関するガイドライン」です。
「移動端末設備の円滑な流通・利用の確保に関するガイドライン」では、2021年10月以降に販売される端末のSIMロックを原則禁止としています。
ガイドライン案への意見は、5月29日から6月28日までの期間、電子政府の総合窓口「e-Gov」から誰でも提出可能です。
Source:総務省 (1), (2)
(hato)
- Original:https://iphone-mania.jp/news-370919/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania