当初2人の兄弟によって創業されたフランスの新しいスタートアップCafé(カフェ)は、リモートとオフィスのハイブリッド就労モデルへの、企業の切り替えを支援する。Caféは、これまでみられたようなデスク予約ツールではない。その代わりに、チームのメンバーがいつオフィスに来るのかを確認して、自分がいつオフィスに行くべきかを計画できるようにしてくれる。
Caféは、作業場所を重視するのではなく、まず人を重視する。共同創業者でCTOのArthur Lorotte de Banes(アスチュー・ルーホー・ド・バネス)氏は「私たちは、ユーザーに直接デスクを予約させないことを決めました」と語る。
アプリを開くと、シンプルなカレンダービューが表示される。それぞれの日ごとに、オフィスに来ている人、自宅で仕事をしている人などのグループごとに分けられたチームメンバーを見ることができる。
数回タップするだけで、他の同僚に自分の予定を伝えることができる。そうすることで、ミーティングの予定を立てたり、直接会って話をしたり、単に出社のタイミングを合わせたりすることが簡単になる。また、同じプロジェクトに取り組んでいる場合、特定の同僚と予定が合う日を見つけやすくなる。
「150社にインタビューをしたのですが、最初の5社にインタビューした時点で、各社が同じ問題を抱えていることがわかりました。みんながスプレッドシートを使っているのです」というのは共同創業者で現CEOのTom Nguyen(トム・ニュイゲン)氏だ。
画像クレジット:Café
Caféのようなツールを使うことで、自分のオフィスについての洞察を得ることもできる。例えば、曜日や日付ごとに、オフィスの平均出勤人数を確認することができる。管理者は、全員に情報を確実に記入してもらえるように、毎週発行するリマインダーを設定することができる。
モバイルアプリとウェブアプリに加えて、Caféは既存のツールとの統合が可能だ。例えば、CaféのアカウントとSlackを連携させることで、SlackでのステータスをCaféでのステータスに反映させることができる。チームメンバーは、他のメンバーの名前にカーソルを合わせことで、相手がオフィスにいるのか、在宅勤務中なのかを知ることができる。
また同社は、PayFit(ペイフィット)などの人事情報システムとの統合も進めており、休暇がCaféと自動的に同期されるようになる。
画像クレジット:Café
各企業が、オフィスへ戻るための計画を立て始めた絶好のタイミングで、Caféは市場に登場した。企業は、それぞれのニーズに合わせてカスタムステータスを作成することができる。例えばあるCaféユーザーはオフィスが開いていることを確実にするために、誰がオフィスの鍵を持っているかがわかるステータスを作成した。
今回同社は、100万ドル(約1億1000万円)のシードラウンドを行った。出資者は122West、Kima Ventures、Jonathan Widawski、Guillaume Lestrade、Jacques-Edouard Sabatier、そしてWeWork(ウィーワーク)、Dropbox(ドロップボックス)、Github(ギットハブ)、Snapchat(スナップチャット)、Intercom(インターコム)、Stripe(ストライプ)、Alan(アラン)、PayFitに勤務する、または勤務した経験のあるさまざまなビジネスエンジェルたちだ。
Typeform(タイプフォーム)、Doodle(ドゥードゥル)、Slido(スライド)と同様に、Caféはフリーミアム戦略を選択している。チームは無料でサインアップし、身近な同僚たちと一緒に製品を使い始めることができる。登録に際してカード情報の入力は不要だ。
ユーザー数を増やして組織全体に展開したい場合には、支払いを始める必要がある。スタートアップは、そうした従業員たちが全社のための製品支持者になってくれると考えている。また、職場の従業員の幸福度向上を目的とした製品には、適切な戦略だと思える。
画像クレジット:Café
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(文:Romain Dillet、翻訳:sako)