大麻栽培農家(ファーム)かと思って警察が踏み込んだら、ビットコイン・ファームだった――最新技術を駆使したがゆえに起きた、英国警察の手痛い勘違いが笑いを生んでいます。
典型的な兆候だったが
英警察は、バーミンガム郊外にある工業施設に目をつけていました。というのも、この工場は一日中複数の人間がひっきりなしに建物を出入りしており、大掛かりな換気口や配線が敷かれていたためです。さらにドローンで建物上空から熱探知機を用いた結果、大量の熱を感知しました。一般的に大麻栽培は、人目を気にして通常では育たないような場所で育成する必要があるため、大掛かりな照明や暖房、換気を必要とします。そのため、警察は大麻栽培の「典型的な兆候」だと判断、万全を期して突入しました。
ところが実際に広がっていたのは、所狭しと並んだ約100台のビットコイン・マイニングマシーン「Antminer S9」でした。大量の熱を放射し換気が必要だったのは、マイニングマシーンを冷却するためだったのです。大麻栽培ではなかったために逮捕者は出ませんでしたが、電気代を支払わず電源を違法に使用していたため、あえなく“ファーム”は閉鎖され、マイニングマシーンも応酬されました。
ビットコインの炭素排出量は馬鹿にできない
大麻工場は摘発できなかったかも知れませんが、見方によっては人類のために警察は良いことをしたとも言えるでしょう。
ニュースサイトThe Vergeによると、2016年時点で全米の電力消費量の1%を大麻栽培が占めているそうです。これによる温室効果ガスの排出量は年間1,500万トンに相当すると言われています。
一方でビットコインの温室効果ガス排出量は、マイニングが盛んな中国だけで2024年までに1億3,000万トンに達すると見られています。これはイタリアやサウジアラビアといった国々の総エネルギー消費量を上回り、炭素排出量はオランダやスペイン、チェコなどの年間温室効果ガス排出量を超える数値です。
Source:The Verge,Bloomberg
(kihachi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania