Ankerが発売した、第2世代の窒化ガリウム(GaN)を採用した最大出力45Wの高速充電器「Anker Nano II」の45Wモデルを購入したので、iPhone12 Pro MaxとMacBook Proを充電して、充電速度と発熱をチェックしました。
ブラックボディにメタリック面がアクセント
Ankerが5月25日に発表した「Anker Nano II」には、30W、45W、60Wの3モデルがあります。このうち、最初に発売された45Wモデルを購入し、試してみました。
外箱を開けると、「34%の小型化を実現」と製品特徴が説明されています。
外観はブラックの側面に、USB-Cポートのある面はメタリックグレー、側面には「Nano II 45W」の文字が印字されています。プレーンな白か黒の製品が多いイメージだったAnkerの従来製品との差別化を感じます。
プラグ部分は折り畳み式です。
GaN搭載の小型高速充電器が広く注目を集めるきっかけとなった存在とも言える、2019年発売のAnker PowerPort Atom PD1(最大出力30W)と並べてみました。プラグ部分を除けば、ほぼ同サイズであることがわかります。
小型軽量化と熱・ノイズ対策を両立した「第2世代GaN」
Ankerは、第2世代のGaNでは、省サイズ化とともに、放熱性能向上、EMI(ノイズ)対策を施すことで小型軽量を実現した、と説明しています。
そこで、「Anker Nano II 45W」の充電速度と発熱を、iPhoneとMacの充電で比較してみました。
iPhone12 Pro MaxとMacBook Proを充電して比較
バッテリー残量50%のiPhone12 Pro Maxと、13インチMacBook Pro(2017年モデル)を30分間充電し、充電残量と温度を計測しました。
比較対象として、iPhone12 Pro Maxの充電では、以前のiPhoneに同梱のUSB電源アダプタ(最大出力5W)と、Anker PowerPort Atom PD1(最大出力30W)も計測しました。
MacBook Proの充電では、Anker PowerPort Atom PD1(最大出力30W)とMacBook Proの付属品(最大出力61W)も計測しています。
温度は、いずれもケーブルの差し込み口近くを、非接触温度計で計測しました。USB- Lightningケーブル、USB-C – LightningケーブルはiPhoneの付属品、USB-C – USB-CケーブルはMacBook Proの付属品を使用しています。
iPhone12 Pro Maxの比較結果
iPhone12 Pro Maxをバッテリー残量50%から30分間充電した後の、バッテリー残量と、充電開始時からの温度上昇は以下のとおりです。グラフ左側のY軸はバッテリー残量(%)、右側のY軸は温度変化(摂氏)を示しています。
Anker Nano II 45W(最大出力45W):50% → 84% (最大 +11.2度)
Anker PowerPort Atom PD1(最大出力30W):50% → 84% (最大 +9.0度)
iPhoneに付属の充電器(最大出力5W):50% → 62% (最大 +29.6度)
iPhone12シリーズの有線充電の入力は最大20Wなので、最大出力45WのAnker Nano IIと、最大出力30WのAnker PowerPort Atom PD1で充電速度に差はつきませんでした。
温度は、Nano IIのほうがPD1よりも2度ほど高くなっていますが、計測位置の少しの違いでも温度は2〜3度の変化が出ることを考慮すると、発熱にあまり大きな違いはないと言えそうです。
一方、以前のiPhoneに付属していた5Wアダプタは、30分後でも62%までしか充電できていないうえに、計測開始時に23.5度だった表面温度が53.1度まで上昇し、かなりの熱を持っていました。
MacBook Proはどこまで充電できるのか
13インチのMacBook Pro(2017年)を、Anker Nano II(最大出力45W)、Anker PowerPort Atom PD1(最大出力30W)、MacBook Proに付属の充電器(最大出力61W)で比較しました。
なお、筆者の通常使用に近い状態である、SafariとPages、Numbersを開き、ミュージックアプリで音楽を再生した状態で計測しています。
Anker Nano II 45W(最大出力45W):50% → 77% (最大 +20.4度)
Anker PowerPort Atom PD1(最大出力30W):50% → 74% (最大 +18.8度)
MacBook Proに付属の充電器(最大出力61W):50% → 77%(最大 +9.3度)
最大出力45WのAnker Nano IIは、30分間での充電量は最大出力61WのMacBook Pro付属品と同等でした。最大出力30WのPD1も善戦しています。
発熱は、出力に余裕のあるMacBook Pro付属品が最大9.3度なのに対して、Nano IIとPowerPort Atom PD1は最大20度程度の上昇を記録しました。
筆者のように、出先でMacBook Proを軽い負荷で使用することの多いユーザーには、付属アダプタと同等の充電速度が得られるNano II 45Wは、良い選択肢になりそうです。
7月には30Wと65Wモデルも発売
Anker Nano IIシリーズは、5月に発売された45Wに続き、7月下旬には30Wと65Wが発売される予定です。
販売価格(税込)は、30Wが2,990円、45Wが3,390円、65Wが3,990円です。
30Wは、45Wよりもさらにコンパクトですが、プラグが折り畳み式ではないので、持ち運びには少し気を遣うかもしれません。
- Original:https://iphone-mania.jp/news-371828/
- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania