歩いたり走ったりを補助する外骨格の研究開発が世界中で進められています。歩行支援の外骨格と言えば、CYBERDYNEによる医療用のものや、ウォータールー大学によるAI主導のものなんかが思い浮かぶかもしれません。
こうしたなかクイーンズ大学の研究チームは、従来とはちょっと違ったアプローチで歩行効率を改善。研究チームが開発のデバイスは、余分なエネルギーを取り除くことで、より効率的な歩行を可能にするようです。
エネルギーを取り除くことで歩行を効率化
研究チームによる外骨格は、重さ0.5kgのデバイスを背負い、脚にいくつかのパーツを取り付けて利用します。軽量なのでハイキングなどでも活用できて、ユーザーはより長い距離を歩けるように。あるいは看護師など、長時間歩く職業での疲労軽減のための活用が想定されています。従来の歩行支援向け外骨格が、エネルギーを加えることで機能するのに対し、同デバイスではその逆のアプローチを取っている点でユニーク。歩行周期の特定の段階で、膝の筋肉を助けるエネルギーを取り除くことで、歩行の代謝コストを減らすとのことです。
取り除いたエネルギーは再利用
またこのデバイスでは、歩行を支援するだけでなく取り除いたエネルギーを再利用できるとのこと。デバイス自体の制御システムや、ほかのポータブルデバイスへの電力供給が可能です。こうした機能は、長距離のハイキングなどで歩行支援と同時にスマホが充電できて一石二鳥です。
研究チームは、エネルギーを取り除くことで歩行効率が高まるとの直感に反するメカニズムを今回初めて実証。デバイスを試す様子が動画で確認できるほか、研究内容なSience誌にも掲載されています。
(文・山田洋路)
- Original:https://techable.jp/archives/155672
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:YamadaYoji