ストーリーズ機能のTwitter(ツイッター)版である「Fleets(フリート)」に広告が登場する。同社は米国時間6月1日、米国でFleets広告のパイロットテストを開始することを発表した。これにより、Twitterに初めてフルスクリーンの縦型広告が導入され、Facebook(フェイスブック)、Instagram(インスタグラム)、Snapchat(スナップチャット)、TikTok(ティックトック)などのソーシャルメディアプラットフォームで提供されている縦長の広告に対抗できるようになる。
新しいFleet広告は、ユーザーがフォローしている人々のFleetsの間に表示され、9:16フォーマットの画像と動画の両方に対応している。動画広告は最大30秒のコンテンツをサポートし、ブランドは広告内に「スワイプアップ」するCTA(コールトゥアクション)を入れることもできる。
動画の場合、Instagram(最大120秒)やTikTok(最大60秒)よりも短いが、広告は短い方が良いとするベストプラクティスに沿ったものでもある。
TwitterはスワイプしたときにFleet広告が表示される頻度については言及しておらず、ユーザーのエンゲージメントを知るために、この分野で「イノベート、テスト、ニーズへの適応を続けていく」とだけ述べている。
一方、広告主サイドでは、インプレッション数、プロフィールアクセス数、クリック数、ウェブサイトへの訪問数など、Fleet広告に関するTwitterの標準的な広告指標を受け取ることができる。また、動画広告については、動画再生回数、6秒動画再生回数、動画開始回数、完全再生回数、四分位レポートなどの指標が表示される。
このパイロットプログラムは、テック系、リテール系、飲食系、CPG系などを含むわずか10社の広告主を対象に米国で開始される。
Twitterはパイロットプログラムによって、この種の広告のTwitterでのパフォーマンスはどの程度か把握し、今後のFleet広告の最適化方法だけでなく、将来的にフルスクリーン広告を開始する可能性のある他のエリアにも役立てたいとしている。また、テストを続ける中で、フルスクリーン広告に対する人々の印象やエンゲージメントを知りたいと考えているという。
Twitterは2020年春に、ユーザーが一時的なコンテンツを投稿できるストーリーズのような製品体験を提供する方法として、Fleetsの実験を始めた。当時同社は、Fleetsが24時間後に消えることで、直接投稿することにともなうパフォーマンスのプレッシャーを軽減し、躊躇しているユーザーがコンテンツを同プラットフォームにより共有しやすくなることを期待していた。またFleetsはリツイートや引用ツイートのようにTwitter上に広まることもなく、検索やモーメントにも表示されない。
この機能は、2020年11月に全世界のユーザーに展開された。当初Fleetsは、ソーシャルアプリがどれも同じように見えてきたことの一例だと批判された。とはいえ、Fleetsは今やTwitterの中核的存在となっている。
今日では、人々は自分が投稿した他のツイートを紹介したり、個人的な近況や写真、コメントを共有するためにFleetsを利用している。しかし、SnapchatやInstagramのような他のプラットフォームのストーリーズとは異なり、Fleetsはクリエイターのツールという点では、まだかなり簡素で物足りない。背景の色を変えたりステッカーやテキストを追加することはできるが、それだけだ。
Twitterは現在Fleetsを採用しているアクティブユーザーの数や割合については言及を避けたが、Fleetsを投稿しているユーザーの73%が、他のユーザーが共有しているコンテンツも閲覧していると述べている。同社は、Fleetsへの投資を継続しながら、今後も新たなアップデートや機能を展開していく予定だという。
Fleet広告は、米国で本日6月1日よりiOSとAndroidの両方で提供開始される。
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(文:Sarah Perez、翻訳:Aya Nakazato)