株式会社QBIT Roboticsは、ロボットアームと自動搬送ロボット、警備ロボットとエレベーターといった異種ロボットを簡単に連動させる「エッジ・ロボット制御基盤」を有しています。加えてこのたび、ロボット群の位置管理や制御を可能にする「クラウド・ロボット・アプリケーション基盤」を開発。この「エッジ・ロボット制御基盤」と「クラウド・ロボット・アプリケーション基盤」が連携することで、ロボットを活用したさまざまな業種パッケージの開発が容易になるといいます。
こうして開発されたのが、複数のロボットから荷物に適したロボットを自動配車する機能や配送集荷スケジューラを持つ業種パッケージ「館内配送集荷基盤」。そしてQBITと森トラスト株式会社は、大規模なオフィスビルや商業施設における館内配送集荷の自動化を目指し、城山トラストタワーにて館内配送集荷サービスの実証実験を開始しました。
実証実験の概要
検証ではまず、物流事業者が荷受け・荷卸しする場所に、ロボットアーム搭載の荷物棚を設置。配送時は、業者が棚に荷物をおいて「荷卸し完了」ボタンを押すと荷物の種類や配送先に応じて自動搬送ロボットが呼び出され、ロボットアームによって荷物が自動搬送ロボットに積み込まれます。そこから各配送先に届けられるという流れです。
集荷時は、テナントがタブレットから集荷予約をし、到着した自動搬送ロボットに荷物を預けます。自動搬送ロボットが、ロボットアーム搭載の荷物棚まで行くと、館内スタッフによって棚に荷物が乗せられるという流れです。なお、集荷予約は30分刻みで可能。
活用される自動搬送ロボットは、エレベータ・自動ドア連携が可能な小型荷物搬送用のSavioke社「Relay」、自動ドアと連携し中型荷物搬送に適したPudu Robotics社 「PuduBot」およびKeenon Robotics社「Peanut」の3種類です。
年内のサービス開始を視野に
同サービスは、深刻化する物流現場の人手不足解消に貢献するとともに、高まる非接触・非対面ニーズにも応えるものとなるでしょう。今後は、同実験の結果を踏まえて館内配送集荷サービスの完成度を高め、2021年後半からのサービス提供開始を目指すようです。
なおこの取り組みは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「自動走行ロボットを活用した新たな配送サービス実現に向けた技術開発事業」の一環。同事業にはQBITの他、TIS株式会社、パナソニック株式会社、株式会社NTTドコモなどが参画しています。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/155764
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口