2021年4月にFacebookはアプリ内でVenmoのようにQRコードで個人間送金をするテストを米国で実施していることを認めた。米国時間6月10日、同社はこの機能を米国の全ユーザーに公開し、Facebookの友達でない相手ともFacebook Payを通じて送金や請求ができると発表した。
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QRコードはVenmoなどの決済アプリと同じように動作する。
この機能は、Messengerで画面左上のプロフィールアイコンをタップして設定を表示すると、その中の「Facebook Pay」セクションにある。ここに自分専用のQRコードが表示される。一般的なQRコードと同様のものだが、中央に自分のプロフィールアイコンがある。
その下に、自分のFacebook Pay URLが「https://m.me/pay/UserName」の形式で表示される。請求をするときに、これをコピーして他のユーザーに送ることもできる。
Facebookは、このコードは米国のMessengerユーザー同士なら誰でも利用でき、他の決済アプリは不要で連絡先の入力やアップロードもせずに使い始められると説明している。
Messengerで送金と受け取りができるのは18歳以上で、決済機能を利用するためにVisaかMasterCardのデビットカード、PayPalのアカウント、対応するプリペイドカードか政府発行カードのいずれかが必要だ。また、アプリ内で優先して使用する通貨を米ドルに設定する必要がある。
セットアップが完了すると、デフォルトの支払い方法を選んだり、オプションでPINコードを設定して決済を保護したりできる。
QRコードは、Facebookアプリ上部にあるカルーセルの「Facebook Pay」セクションからも利用可能だ。
Facebook Payは2019年11月に、個人間送金だけでなく寄付やストリーミング収益化のFacebookスター、eコマースなど同社のアプリ全般にわたって利用できる決済システムとして初めて登場した。QRコードの利用はVenmoなどに追随するかたちだが、今回発表されたサービスは必ずしも決済アプリのライバルになるものではない。Facebookは対応する決済方法の1つとしてPayPalと連携しているからだ。
決済機能はFacebookのデジタルウォレットであるNoviとはつながっていないが、将来的には変更されるかもしれない。
個人間送金機能は、メインのチャットのスレッドに戻らなくても写真やビデオに簡単に返信できるクイックリプライバーなど、Messengerのいくつかのアップデートとともに紹介された。チャットの新しいテーマとして、女優のOlivia Rodrigo(オリビア・ロドリゴ)のファン向けのテーマ、世界海洋デーにちなんだテーマ、新作映画「ワイルド・スピード / ジェットブレイク」のプロモーション用テーマも追加された。
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カテゴリー:ネットサービス
タグ:Facebook、QRコード決済、モバイル決済、アメリカ、Facebook Pay、Facebook Messenger
画像クレジット:Facebook
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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)