AIとロボティクスで「永久に持続可能な物流の未来」を目指す物流テック企業GROUND(グラウンド)は6月15日、機械工具や工事用消耗品の卸売を行う企業トラスコ中山と資本業務提携を結び、2021年6月末までにトラスコ中山を引受先とする第三者割当増資を実施すると発表した。これはシリーズCラウンド総額5億円の資金調達となる。
この資金を使って、GROUNDは、「次世代型物流施設の研究・企画・開発」「AIによる物流データ整備およびAI物流ソフトウェア標準化モデルの研究・開発・提供」「AIおよびロボットなど、先端テクノロジーを活用したソリューションにおける営業・販売体制の強化」という3つのコア事業の拡大と加速に加え、トラスコ中山の事業戦略である流通プラットフォーム「トラスコプラットフォーム」の構築を目指す。さらに、「事業拡大に向けた人材の積極採用や育成、物流領域における新しいテクノロジーのリサーチや開発体制の強化」にも取り組んでゆく。
物流業界の流通モデルはこの10年間で大きく変化し、「消費者ニーズの高度化や多様化、配送短期化、人件費や運送費の高騰」に加え、物流施設管理の複雑さなどにより大変に厳しい環境になっているという。また、生産年齢人口の減少、新型コロナウイルスによるeコマースや物流への需要の拡大に対応するためにも、AIやロボットといったテクノロジーの必要性が高まっている。
GROUND代表取締役CEOの宮田啓友氏によると、GROUNDとトラスコ中山とは、2018年の国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による助成事業「AIシステム共同開発支援事業」の共同実証実験をきっかけに、トラスコ中山の物流センター「プラネット埼玉」への物流機器を導入するなど、さまざまな先進的な取り組みを行ってきた。「トラスコ中山様の流通プラットフォーム構築へ寄与し、両社の企業価値向上を目指します」と話している。
またトラスコ中山代表取締役社長の中山哲也氏は、「当社のあるべき姿を実現するにあたり、最新鋭の物流・ITソリューションは今後必要不可欠」であり、GROUNDとの資本業務提携により「最先端のテクノロジーを導入し、庫内の最適化に取り組んでまいります」と話している。
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