Googleは何年にもわたって期間限定のポップアップストアを多数開設してきたが、まもなく初の常設店舗がニューヨークのチェルシー地区にオープンする。Apple、Microsoft、Samsung、さらにはAmazonもマンハッタンに店舗を構え、そのうちのいくつかはGoogleの新しい店舗のすぐそばだ。Googleは実店舗のモデルに関してこうした同業他社の仲間入りを果たすことになる。
新しい店舗は現地時間の6月17日午前10時(日本時間6月17日午後11時)にオープンする。販売フロアの面積は5000平方フィート(464.5平方メートル、140.5坪)で、高額なウェストサイドの不動産にGoogleが大きな投資をして購入したビルにある。この場所には以前郵便局とスターバックスがあったが、新たに大家になったGoogleとのリース契約が満了となって退去した。
店舗レイアウトの設計は体験型で、増えつつあるGoogleのハードウェア製品と他社製品が置かれている。基本的には、スマートフォンのPixel、Home製品、Stadia、WearOS、そしてハードウェアの新製品やFitbitデバイスを旅行客や地元住民に紹介する店舗だ。
バイスプレジデントのJason Rosenthal(ジェイソン・ローゼンタール)氏はプレス向け内覧会で「我々はここ数年間ポップアップストアを通じて、Googleだけがお客様に提供できるものとして何が期待されているかについて理解を深めてきました。2016年、17年、18年、19年のポップアップストアから学び、それをチェルシーにオープンする店舗に取り入れています」と説明した。
コロナ禍による制限のため、内覧会はバーチャルで実施された。まもなく正式にオープンするが、ニューヨーク市が感染終盤期の対応をとっているため(収束を祈る)、Googleは引き続き標準的な安全対策を維持する。
コロナ禍でストアのオープンが計画より遅れたことはおそらく間違いないが、Googleは6月17日に全面開業することを約束している。オープンに先立ち、数週間の試験運用が実施された。試験運用では50人前後のストアスタッフがトレーニングを積み、Googleはエクスペリエンスの最終仕上げをした。さらにその前には、カリフォルニア州マウンテンビューの倉庫に実店舗大のモックアップを作ってアイデアを試していた。
17フィート(約5メートル)のウインドウには製品のスクリーンやジオラマが並び、ストア内の至るところに「サンドボックス」がある。大規模家具店にあるのと同様のリビングルームなど、実際の利用状況を効果的に試せるエリアだ。Stadiaをプレイできるゲーミングエリアや、さまざまなHome / Nest製品を試せる防音スペースもある。
Apple Storeと同様に、Pixelsなどのデバイスが故障した際に持ち込んで修理してもらうことができる。Googleは、店舗内で修理できるデバイスを増やしており、画面の破損などの特定の問題は同日修理が可能になる見込みだと説明している。
この店舗自体が実験的な位置づけであり、米国内の他の場所、そしておそらくハードウェアを販売している他の国でも、店舗をオープンする計画があるようだ。ただし現時点では、チェルシーにオープンするこの店舗以外についてGoogleは言及しないものとみられる。
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カテゴリー:ハードウェア
タグ:Google、ニューヨーク、店舗
画像クレジット:Paul Warchol / Google
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(文:Brian Heater、翻訳:Kaori Koyama)