ライカが初のスマートフォン「Leitz Phone 1(ライツフォンワン)」を発表しました。日本市場向けのモデルで、ソフトバンクが独占販売。価格は18万7920円。6月18日から予約受付が始まり、7月以降に発売される予定。
6月17日にオンラインで配信された発表会の後に、メディア向けのハンズオンが開催されました。カメラ性能を試すことはできなかったのですが、いち早く実機に触れることができました。
■スマホ最大級の1インチセンサーを搭載
Leitz Phone 1は、スマホに搭載されるカメラでは最大級の1インチで、約2020万画素のイメージセンサーを搭載。レンズは7枚構成で、F値が1.9で焦点距離が19mm(35mm判換算)。最大6倍のデジタルズームにも対応しています。RAWおよびJPEG形式で記録でき、大判サイズでも細部まで鮮明にプリントできるとのこと。
カメラの基本仕様は、シャープが5月17日に発表した「AQUOS R6」(6月25日発売予定)と共通しているのですが、実はLeitz Phone 1の製造はシャープが担当。AQUOS R6にはライカが監修したカメラが搭載されていますが、Leitz Phone 1は、本体のデザインやカメラアプリのUIなどを含めて、ライカがトータルで監修しています。
スマホとしての性能もAQUOS R6と同等。詳細なスペックは後述しますが、今夏に発売される機種としては最高峰のスペックを備えています。とりわけ約6.6インチのPro IGZO OLEDディスプレイは、撮影した写真を美しく表示させることができ、大きなアドバンテージとなるでしょう。
■デザインにもライカの哲学が感じられる
スマホはディスプレイ側を表面と呼ぶのが一般的ですが、Leitz Phone 1の顔は、やはりメインカメラを搭載する背面。カメラの存在感を主張するように、カメラ部は黒い円形でデザインされ、右上に赤い「Leica」ロゴが埋め込まれています。
背面パネルはガラス製ですが、サラサラとしたマットな手触り。細かい表面加工が施された擦りガラスといった印象で、初めて手にした時にはガラスとは気づかないほど。フレームにはアルミニウムを用いて、ライカのカメラと同じ “ライカシルバー” を再現。サイドフレームには、ライカが得意とするローレット加工を施し、安定したホールド感が得られる趣向。上部と底部のフラットな質感もカメラ譲りといった印象。
約6.6インチの有機ELディスプレイは左右に3Dカーブを施し、ベゼルが見えないほどの狭額縁設計になっています。ディスプレイの上部中央に1260万画素のインカメラを搭載していますが、黒を基調とする画面表示が設定されているためか、デザイン上は目立ちません。
開発中ということで、カメラを起動することはできませんでしたが、説明員に聞いたところ、カメラアプリにもライカならではのこだわりが盛り込まれているそうです。
まず、撮影時に鳴る音は、ライカのMシリーズのシャッター音を再現。ライカのカメラで撮影する際に、撮影範囲を白い枠で示す「ブライトフレーム」も表示されるとのこと。また、ライカのカメラは、ディティールまで鮮明に描写するモノクロの撮影性能にも定評がありますが、「Leitz Looks(ライツルックス)」という、モノクロに特化した撮影モードも用意されています。
■オリジナルのケースとレンズキャップも同梱
さらに、ライカ純正のアクサセリーも同梱されます。シリコン製のケースは、やや厚みがあり、Leitz Phone 1のボディをしっかり保護できる印象。ライカのロゴが刻まれたレンズキャップはマグネット式で、カメラ部にカチッとくっつけることが可能。ケースを使わない時でも、ケースをつけた状態でも使えます。
Leitz Phone 1の主なスペックは下記の通り。
OS:Android 11
CPU:Snapdragon 888 5G(最大2.8GHz/オクタコア)
RAM/ROM:12GB/256GB
ディスプレイ:約6.6インチ(2730×1260ドット)
アウトカメラ:有効画素数約2020万画素/F値1.9レンズ(焦点距離19mm)/広角98°/ToF方式AF/電子手ブレ補正
インカメラ:有効画素数約1260万画素/F値2.3レンズ(焦点距離27mm)/広角78°
バッテリー容量:5000mAh
防水・防塵:IPX5・IPX8/IP6X
生体認証:顔認証、指紋認証(3D超音波指紋認証)
おサイフケータイ:対応
サイズ/質量:約162×74×9.5mm/約212g
18万7920円はスマホとしてはかなり高額ですが、ライカ純正のコンパクトデジカメとして捉えると納得できる価格。でも、それならいっそライカのカメラを買ったほうがいいかも…。いや、カメラ性能が同等のAQUOS R6のほうがお得かも…。などなど、あれこれ迷いそうな製品です。筆者も、すでに楽しく迷っています。気になる人は、ぜひ実機に触れてみてください。
<取材・文/村元正剛(ゴーズ)>
村元正剛|iモードが始まった1999年からモバイル業界を取材し、さまざまな雑誌やWebメディアに記事を寄稿。2005年に編集プロダクション「ゴーズ」を設立。スマホ関連の書籍・ムックの編集にも携わっている。
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- Original:https://www.goodspress.jp/news/380364/
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