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【もうすぐ出ますよ!注目の日本車】ミッドサイズSUV「NX」からレクサスの新章が始まる

レクサスのミッドサイズSUV「NX」が、今秋、フルモデルチェンジを果たします。

7年ぶりに新型へと生まれ変わるNXは、次世代レクサスの幕開けを象徴する第1弾として位置づけられており、走り、デザイン、先進技術などを全面刷新。チカラの入ったモデルチェンジとなっています。

今回は、先日、公開された新型のスペックとプロトタイプの写真から、2021年秋の日本発売が予定される新型NXの魅力と実力をチェックします。

■レクサスでは初となるPHEV仕様を設定

レクサスは、2世代目となる新型NXを2021年6月12日に初公開しました。カーボンニュートラル社会の実現と、多様化するユーザーのニーズやライフスタイルに寄り添うクルマづくりを推進させる次世代レクサスの第1弾として、2021年秋頃に日本で発売される予定です。

現行の初代NXは、“プレミアム・アーバン・スポーツギア”をコンセプトとして2014年に誕生。都市を機敏に駆け抜ける優れた走行性能とSUVらしい力強いデザインが高評価を獲得しています。2021年4月末時点で90以上の国と地域で販売され、約100万台の累計販売台数を記録。ひとクラス上のSUVである「RX」とともに、レクサスブランドのコアモデルへと成長しました。

生命的な躍動感(=Vital<バイタル>)と先進技術(Tech<テック>)を融合したスポーツギア、“Vital×Tech Gear”を開発コンセプトに掲げる新型NXは、レクサスの電動化ビジョンである“レクサス・エレクトリファイド”に基づき開発された点にも注目。それもあってパワートレーンには、従来のハイブリッド車に加えてレクサス初のPHEV(プラグインハイブリッド)仕様を新設定されるなど、電動車の普及を加速させる取り組みが見受けられます。

レクサス初となるPHEV仕様は、高熱効率な2.5リッター直列4気筒エンジン、大容量・高出力のリチウムイオンバッテリー、フロント&リアのモーターで構成。リチウムイオンバッテリーの総電力量は18.1kWhで、クラストップレベルの電動走行可能距離と力強い加速性能、高い静粛性を実現します。ちなみに駆動方式は、前後の駆動力配分を100:0から20:80の間で可変させる電動式AWD=“E-Four”を採用しています。

このPHEVのほかにも、新型NXは2.5リッターエンジンにモーターを組み合わせたハイブリッド仕様(前輪駆動/E-Four)、2.4リッターガソリンターボ(電子制御フルタイムAWD)、2.5リッター自然吸気ガソリン(前輪駆動/電子制御スタンバイAWD)という多彩なパワートレーンをラインナップ。好みやニーズに応じてセレクトできるようになっています。

■プラットフォームはレクサス品質に合わせて強化

新型NXの車体には、トヨタの“GA-Kプラットフォーム”が用いられています。これはトヨタブランドのSUV「RAV4」や「ハリアー」、セダンの「カムリ」などにも用いられるものですが、レクサスのクオリティに見合うよう各部を改良した特別仕立てとなっています。

例えば、サスペンションメンバーに補強材を追加したほか、カウル形状の見直しによって鉄板の板厚を上げたり、リアの荷室開口部が走行時に変形するのを抑えるべく環状構造を採用したり、骨格の接合に構造用接着剤や“レーザーピーニング溶接技術”を導入したりといった工夫により、軽量かつ高剛性のボディと低重心化を達成。ドライバーの意図に忠実でリニアな走りを実現します。

ちなみに新型NXのサスペンションは、フロントがマクファーソンストラット式、リアがトレーリングアームのダブルウイッシュボーン式が採用され、新開発のショックアブソーバーによって微低速でもしっかりとした減衰力を発揮します。

またタイヤ&ホイールの固定には、先頃マイナーチェンジしたレクサス「IS」と同じく、ハブボルトによる締結方法を採用。固定部の剛性を高めるとともに、“バネ下”の重量をハブとナットによる締結に比べて約0.7kg軽減することで、すっきりとしながら手応えのあるレクサス車らしいハンドリングフィールと、質感の高い乗り心地を実現しています。

なおボディサイズは、現行モデル比で20mm長く、20mm幅広く、5mm高い全長4660mm、全幅1865mm、全高1640mmに設定。ホイールベースは同30mm長い2690mmとなっています。

■内外装に息づくレクサスの新たなデザイン言語

新型NXは、エクステリアデザインにもレクサスの新たな世界観が採り入れられています。

フロントマスクでは、レクサスの個性である“スピンドルグリル”をより垂直に近い形状とし、グリルのメッキ枠も廃止することで塊感を強調。また、グリルパターンと開口部を工夫することで、SUVにふさわしい力強さを演出するとともに、冷却性能の向上という機能的メリットも獲得しています。

一方、リアキャビン周りの凝縮感とタイヤの張り出しが強調されたリア回りで目立つのはエンブレムの変化。レクサス車の象徴でもあった中央の“L字ロゴ”がなくなり、新たに“LEXUS”の英字ロゴが並んだエンブレムに変更されています。またコンビネーションランプも、中央に一文字のランプを配し、その左右にL字型ランプをそれぞれ独立させて組み合わせることで、個性ある後ろ姿を演出しています。

一方、人が馬を操る際に用いる“手綱”に着想を得たインテリアは、ドライバーと助手席乗員とのスペース配分を工夫することで、それぞれに最適な空間を演出しています。

ドライバーの視界の先に位置するメーターパネルとセンターディスプレイは、運転時に必須となるワイドな視野の確保をサポート。また、ステアリングスイッチとヘッドアップディスプレイを高度に連携させることで、視線移動や煩雑なスイッチ操作を行うことなく、ドライビングに集中しながら各種機能の操作を可能にしています。一方、コンソール上面を含むワイドなパッセンジャーエリアは、助手席の同乗者にゆとりある空間を提供しています。

ちなみに、コックピット中央のセンターディスプレイは14インチワイドのタッチ式で、直感的な使いやすさを追求した最新のマルチメディアシステムを搭載。クラウド上の地図情報を活用して交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得できるコネクテッドナビを採用したほか、車載通信機を介して無線通信によるソフトウェアの更新やWeb閲覧を可能にするなど、先進性と利便性に優れたシステムとなっています。

ちなみにスポーティグレード「Fスポーツ」では、バンパー下端のスポイラーや存在感あるフロントサイドガーニッシュ、そして20インチのタイヤ&アルミホイールをエクステリアに設定。

インテリアにも専用のハンドルやフロントシート、アルミペダル、シフトレバーなどが装備され、走りのイメージを強化しています。

■プログドライバーが走り込んで走りを鍛え上げた

もちろん最新モデルだけあって、新型NXにはより進化した先進安全装備“レクサスセーフティシステム+”が搭載されています。

これは、ミリ波レーダーや単眼カメラの検知範囲拡大により、各機能の性能向上や一般道での支援を行う機能が追加された最新版。対向車や右左折時に前方から接近する歩行者/自転車との衝突回避を支援する“プリクラッシュセーフティ”機能や、衝突の危険が高いと判断した場合に被害軽減ブレーキを掛けつつ操舵制御も行う“アクティブ操舵支援機能”などが新たに盛り込まれています。

また、並列駐車時に前向き駐車やバック出庫、前向き出庫が新たに可能となった“アドバンストパーク”は、車外からスマートフォンを介しての遠隔操作で並列・縦列駐車が可能に。そのほか、専用アプリをインストールしたスマホをカギと認識し、画面操作なしにロック、アンロック、エンジンスタートが行えるデジタルキー機能も設定されるなど、安心と利便性が格段に向上しています。

このように、全方位的に進化を遂げ、多彩なパワートレーンやグレードを展開する新型NXは、SUV人気の追い風を受け、日本はもちろん世界中でヒットを記録しそうです。おまけに新型は、プロのレーシングドライバーが愛知県に新設されたテストコースで徹底的に走り込みを行い、走りを鍛え上げてきたのだとか。次世代レクサスの幕を開ける新型NXのハンドルを握るのが今から楽しみです。

文/上村浩紀

上村浩紀|『&GP』『GoodsPress』の元編集長。雑誌やWebメディアのプロデュース、各種コンテンツの編集・執筆を担当。注目するテーマは、クルマやデジタルギアといったモノから、スポーツや教育現場の話題まで多岐に渡る。コンテンツ制作会社「アップ・ヴィレッジ」代表。

 

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