フィンテックスタートアップのRevolut(レボリュート)が決算を発表し、報道機関にも詳細を明らかにした。同社の2020年の売上高は3億6100万ドル(約398億円)で、2019年の2億2900万ドル(約252億円)から57%増だった。
興味深いことに、そうした数字には暗号資産(仮想通貨)のアセットでの公正価格の上昇が反映されている。つまり、Revolutが貸借対照表上、暗号資産を有していることを意味する。同社は暗号資産アセットで5400万ドル(約60億円)増やした。
粗利益は1億7000万ドル(約187億円)に達した。と同時に、同社は損失も計上している。特に2020年第1四半期は不振で、調整後の営業損失は7600万ドル(約84億円)だった。
2020年の調整前の営業損失は2億7700万ドル(約305億円)に達した。他の多くのテック企業と同様、営業損失においては一般管理費が大きな割合を占める。従業員2200人を抱える同社は一般管理費だけで3億6700万ドル(約405億円)だった。しかし状況は改善しているようだ。
「2020年の特殊な環境がデジタル金融管理へと駆り立てましたが、当社は顧客の財務面でのやり取りを簡単なものにして日常使用を加速させるべく、刷新を続けます。当社は新たに24のリテールとビジネスの商品を立ち上げ、米国、日本、オーストラリアに進出し、リトアニアで銀行サービスを開始しました。その間、収益性を大幅に改善しました」と創業者でCEOのNikolay Storonsky(ニコライ・ストロンスキー)氏は声明文で述べた。「急成長に向けた軌道をさらに確かなものにする、これまで以上に逆境に強く、生産的なビジネスで2021年をスタートさせました」。
2020年第1四半期と2021年第1四半期と比較したとき、様子は大きく異なる。2021年第1四半期の売上高は前年同期比130%増となり、粗利益は300%成長した。
Revolutは売上源を多様化するために数多くのプロダクトを立ち上げてきた。現在アカウント、デビットカード、取引サービス、保険商品、プレミアムサブスク、暗号資産取引などを展開し、金融スーパーアプリになりつつある。
カード決済の売上交換手数料からの収入が同社の売上高のかなりの割合を占めているのは興味深い。2020年のカードと手数料の売上高は1億3100万ドル(約140億円)だった。Revolutの顧客がカードで購入するたびに、カードスキーム(VisaあるいはMastercard)によってRevolutに手数料が入る。割合に基づく手数料はかなり少額だが、カードを使った購入件数が何百万となるとそれなりの額になる。
外国為替と資産の部門の売上高は1億1100万ドル(約120億円)で、もう1つの大きな収入源だ。そして最後にRevolut Plus、Revolut Premium、Revolut Metalといったサブスクの売上高は1億400万ドル(約115億円)だった。
これらが同社の収益に貢献している強力な3本柱だ。この3つで同社の全売上高の3分の1ほどを占めている。
Revolutはまた、2020年に巨額の資金を調達した。シリーズDラウンドで5億ドル(約550億円)を獲得し、累計調達額は5億8000万ドル(約640億円)となった。同社が今後12カ月以内に新規株式公開しても筆者は驚かない。
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カテゴリー:フィンテック
タグ:Revolut、決算発表
画像クレジット:Revolut
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(文:Romain Dillet、翻訳:Nariko Mizoguchi)