Twitchの人気ストリーマーAmouranth氏とIndiefoxx氏は、性的すぎるコンテンツに関する独自の混乱したルールを実施しようとするTwitchの継続的な戦いにおいて、新たな犠牲者となった。
2人のクリエイターは、Twitchのコミュニティガイドラインで禁止されている「性的コンテンツ」の範囲を超えたASMR配信を行ったことで活動を停止された。Amazonが所有するTwitchは、禁止期間やその原因についてはコメントを避けているが、TechCrunchには性的コンテンツに関するルールを示している。
Amouranth(Kaitlyn Siragusa、ケイトリン・シラグサ)氏とIndiefoxx(Jenelle Dagres、ジェネル・ダグレス)氏の2人が、金曜日に禁じられてから72時間後となる米国時間6月21日に復活することはありうるが、本稿を書いている時点(米国時間6月21日午前11時)ではそれはない。シラグサ氏はPolygonで、ヨガのポーズをしてマイクに向かって人の耳を舐めるような音を立てていたら停止されたと語っている。
4K ASMR EAR LICKING! YOGA POSE https://t.co/eXShIudnFP
— Indiefoxx OF (@indiefoxxlive) June 18, 2021
Twitch上のいわゆる「ASMR-meta」は、マイクロフォンの近づいて囁いたり、舐める音を立てたりする背景音がともなうコンテンツで、画面がヨガのポーズになることもある。それらは2021年5月に爆裂したホットタブ(大型浴槽)に関する論争の続編となる。一部のTwitchクリエイターによると、いずれも禁止は一律でなく選択的に適用されているという。
シラグサ氏は次のようにツイートしている。「ASMR metaやクレイジーなヨガのポーズは、私の知ってるかぎりでも、他の2人の女の子が2000から5000のビューを稼いでいた。私があの悪名高いASMR metaを止めた何カ月も前からだ。しかも私以外のストリーマーは、未だに禁じられることなく続けている。私の場合、Twitchの怠慢を黙認だと誤解したのが間違いだった。秘密がばれたら3万ビューワーが犠牲者になってしまった」。
ASMR metaもhot tub metaも全員女性であるため、状況そのものもTwitchのコミュニティにいる女性差別主義者たちをさらに多く惹きよせている。Twitchは、女性のストリーマーがセクハラで追い出されることの多いプラットフォームだ。
I will always find it ENORMOUSLY IRONIC that the generation that fought “violent video games don’t cause an uptick in gun/violent crimes”(I agree), instantly turn tail & succumb to a bad take like “HOT TUB/ASMR GIRLS LITERALLY CREATE CREEPERS that plague other girl creators!”
— Kaitlyn (@wildkait) June 20, 2021
「暴力的なビデオゲームが銃犯罪を増加させた」という説と戦っている世代(私もそう思う)が「hot tubやASMRの女の子たちが変態的な犯罪者を作り出し他の女性クリエイターを困らせている」という説に尻尾を振るなんて、すごい皮肉ね。
プールやhot tubからの女性のストリーミングが増加しているときTwitchはブログで「他の人が見てセクシーと思うことはルール違反ではない。そしてTwitchは、女性やこのサービス上の誰かが魅力的と思われることに、反対するアクションをとることはない」と述べている。同社は例として、寝室における水着姿は「状況的に不適切」な水着は許されていないからルールに反するという。
Twitchはまた、同社の解釈が難しいルールの複雑性を自らも認めている。
「性を示唆している」ようなコンテンツに対する私たちのポリシーの意図は、過度に、あるいは露骨に、性を感じさせるコンテンツに対して一線を引くことであり、性的と見られるものなら何でも禁じるというものではない。しかし私たちは、私たちのルールがまだ十分に明確ではないことを認める。
それっぽいと解釈されうるあらゆる形式のコンテンツを禁止すると、ビデオゲームや有料コンテンツの極めて多くのものを禁止することになるだろう。特にそうしたコンテンツでは、女性キャラクターが、おかしな形で、性の対象として提示されることもあるからだ。
その際の同社の解決策は「プール、ホットタブ、ビーチ」というカテゴリーをつくり、そんなコンテンツをそこに入れることだった。Twitchのカテゴリーは、その多くが特定のゲームに結びついている。しかもこのプラットフォームのゲームではないストリームは、人気の何でもありの「チャット中」カテゴリーにそのほとんどがある。
ASMRというカテゴリーもあり、240万のフォロワーがいる。耳をくすぐるようなASMRは、Twitchのルールに触れないものや、もっと触れるものもある。現在のところTwitchは、性的なコンテンツを囲い込むもっとスマートな方法を考案するよりも、同社が一線を超えていると判断したものは何でも罰するというやり方を選んでいる。しかし、それががらっと変わる可能性もある。2021年5月、Twitchは性を示唆するコンテンツに対するルールをもっと明確にするために、新しいポリシーを開発中だと発表した。
耳をなめるような配信が氾濫していることから、Twitchにとっても、そしてその偏ったポリシーによって不均衡な影響を受けている女性クリエイターにとっても、わかっているのは新ポリシーができるまで同社は、自分が作った曖昧な領域に無理やり線を引くという同じ形の判断を何度も何度も繰り返すことだ。
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カテゴリー:ネットサービス
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画像クレジット:Gabby Jones/Bloomberg via Getty Images/Getty Images
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(文:Taylor Hatmaker、翻訳:Hiroshi Iwatani)