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パスワードのない世界を目指すTransmit Securityがサイバーセキュリティ史上最大のシリーズAで約601億円調達

世界からパスワードをなくすことをミッションとしているボストンのスタートアップTransmit Securityが、シリーズAで5億4300万ドル(約601億円)という巨額の資金を調達した。

今回の資金調達ラウンドはサイバーセキュリティ史上最大のシリーズA投資であると同時に、ブートストラップ企業としては最高の評価額の1つであると言われている。Insight PartnersとGeneral Atlanticがこのラウンドをリードし、さらにCyberstarts、Geodesic、SYN Ventures、Vintage、Artisanal Venturesが出資した。

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Transmit Securityのプレマネー評価額は22億ドル(約2435億円)で、今回調達した資金は、組織を成長させるためのグローバルな主要分野への投資とリーチの拡大に充てるとのこと。

しかし究極的には今回の資金調達により、世界のパスワードレス化に貢献するという同社のミッションを加速させることになる。同スタートアップによると「本質的に安全ではない」パスワードベースの認証により、企業は毎年何百万ドル(何億円)もの損失を被っている。脆弱なパスワードはデータ漏えいの80%以上を占めるだけでなく、1つのパスワードをリセットするためのヘルプデスクの平均人件費は70ドル(約7700円)以上にもなる。

Transmitによると、同社のバイオメトリックベースのオーセンティケータは、初のネイティブにパスワードレスなアイデンティティ・リスク管理ソリューションであり、すでにLowes(ロウズ)、Santander(サンタンデール銀行)、UBS(ユービーエス AG)などの大手ブランドに採用されている。現在、毎秒9000件以上の認証リクエストを処理しているこのソリューションは、アカウントリセットを96%削減し、1分かかっていた顧客認証を2秒に短縮できるという。

2014年に同社を共同設立したTransmit SecurityのMickey Boodaei(ミッキー・ブッダエイ)CEOはこう述べている。「パスワードをなくすことで、企業は解約やカート放棄を即座に減らし、個人データに対する優れたセキュリティを提供することができます。当社のお客様は、リテール、銀行、金融、通信、自動車などの分野を問わず、最適なアイデンティティ体験を提供することが数百万ドル(数億円)規模の課題であることを理解しています。今回のプレミアパートナー各社からの資金調達により、世界からパスワードをなくすための活動範囲を大幅に拡大することができます」。

パスワードをなくすことを目指している企業は、Transmit Securityだけではない。Microsoft(マイクロソフト)はWindows 10をパスワードフリーにする計画を発表しており、Apple(アップル)も先日WWDCで、WebAuthnを利用したパスワードレス認証方法であるiCloudキーチェーン「Passkeys」、およびFace IDとTouch IDをプレビューした

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カテゴリー:セキュリティ
タグ:Transmit Security資金調達パスワードパスワードレス

画像クレジット:Kaer iStock / Getty Images

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(文:Carly Page、翻訳:Aya Nakazato)

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