「MWCが戻ってこれたことは、本当にすばらしいことです。Samsung(サムスン)を代表して、MWCに戻ってこれたことはとても名誉なことです」とSamsung UKの営業担当副社長であるJames Kitto(ジェームズ・キット)氏は、2021年の記者発表の冒頭で述べた。
厳密にいえば、2021年を「戻ってきた」と呼ぶことには大いに疑問の余地がある。Samsungは、2021年バルセロナで開催されるMWC(Mobile World Congress)に出展しないと発表していた企業の1つだ。主要企業が次々と出展を取り止め、GSMAがイベントの全面中止を余儀なくされた2020年のイベントの影響を感じずにはいられない。
1つは、MWCの開催時期が従来の2月下旬から3月上旬になったことで、新型コロナウイルス(COVID-19)がEUで猛威を振るった時期と重なってしまった。また今回は、、結果的に主催者に1年の準備期間があった。
A look at Hall 3 #MWC21 for @saschasegan pic.twitter.com/Z5V6MHqT4A
— Sean Kinney (@seankinneyRCR) June 28, 2021
最も簡単な方法は、CTAがCESで行ったように、すべてをバーチャルで行うことだ。最初のオールバーチャルCESにはもちろん多くの問題があったが、米国でのワクチンの普及を前に直接参加するという要素を試みることは、大きな混乱を招いただろう、
スペインでも世界の多くの国と同様に、新型コロナウイルス(COVID-19)の懸念はある。しかし、GSMAは、MWCを通常の日程から数カ月延期した上で、2021年のイベントの開催を決定した。GSMAはさまざまな安全対策を講じているが、会場で撮影された初期の映像を見る限り、今年のショーフロアでは、ソーシャルディスタンスが問題になることはなさそうだ。
このイベントに「参加」している企業は、ほとんどがバーチャルで参加しているといっても過言ではない。。そもそも参加ベンダーのリストすら、バーチャルだった。
Samsungをはじめ有名企業の多くが、2021年の記者発表を、どこかで録画した動画によるバーチャルで行った。おそらく多くの企業が、バーチャルでも参加しないよりましと考えたのか、あるいは主催団体の顔をつぶしたくない配慮があったのだろう。皮肉な見方をすれば、スポンサーつきのセッションもその多くはバーチャルで良かったのではないだろうか。
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最大の展示はSamsungだと思うが、記者発表は中身が薄かった。最大のニュースといえば、先月、2021年5のI/Oで発表されたGoogleとのパートナーシップだ。そして残りは2021年夏後半に行われるUnpackedイベントの宣伝だった。
それどころか、そのバーチャルイベントは「See you soon at the next Unpacked」と書かれた、念を押すような白黒のスライドがフィナーレだ。ハードウェアの発表は、何もない。
一方、Lenovoは元気だ。最近発表した / するハードウェアの種類がとても多いからだろう。それらを、MWCで宣伝しない手はない。
今回の発表では、スマホ用のワイヤレス充電パッドを内蔵したGoogleアシスタント対応目覚まし時計「Smart Clock」の新バージョンや、ハンガーとキックスタンドを組み合わせたYoga Tab 11および13を含む複数のタブレットが発表された。13インチモデルは外部モニターとしても使えるため、キックスタンドはとても便利だ。
イベントに先駆けて、TCLはウェアラブル有機ELシネマディスプレイ「NXTWEAR G」を発表した。このヘッドマウントデバイスは、アスペクト比16:9の140インチディスプレイに相当する。また、米国で発売される「20 Pro 5G」の概要も明らかになった。この製品の価格は500ドル(約5万5000円)未満で、Snapdragonn750Gプロセッサーを搭載し、ヘッドフォンジャックも装備している。
以上が、今回のショー初日の主なトピックスだ。イベントは7月1日まで開催されている。実際に見に行くかどうかにかかわらず、まだ多くのショーが残されている。
カテゴリー:ハードウェア
タグ:MWC、MWC 2021、Samsung、Google、ウェアラブルデバイス、スマートウォッチ、Lenovo、TCL
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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)