ちょっと聞いて欲しい。イベントが初日に活力がなくなりつつあるのは良い兆候ではない。Mobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス)の開幕は、Samsung(サムスン)が見出しを飾り、いくつかの提携の発表と、実際にハードウェアを発売する次のイベントの紹介に同じ時間を割いた。主催者であるGSMAについて語らないわけにもいかず、イベントの運営は、いつもの年でも、おそろしく大変であることを私は繰り返し伝えるべきだろう。2020年のイベント中止は断腸の思いだったに違いなく、今回の実施方法を決定するにあたっても同様だっただろう。ただしまったく別の理由で?
見どころがなかったわけではない。それは何かって?Elon Musk(イーロン・マスク)氏の動画?あれは「この男をどう思うか」によらずあらゆる意味で大きかった。彼を好きでも嫌いでも、見た人はこの人に対して何らかの強烈な印象をもったことだろう。
Dogecoin(架空の暗号資産)の高僧はSpaceX Starlink(スペースエックス・スターリンク)についてうれしそうに語った。「正直をいうと、私たちは今あの端末で損をしています」とマスク氏がインタビューで言った。「この端末はコストが1000ドル(約11万円)を超えるので、当然今はそのコストを私が補助しています」。懐が深いのはいいことだ。
彼は2022年に新バージョンの人工衛星を出すことを約束した。「能力がずっと高くなります」。
これまでHuawei(ファーウェイ)は消費者よりネットワーキングに大きく焦点を当てている。ただし、あらゆる報道は消費者向きデバイスの発表に焦点を当てているが、MWCがネットワーキングのショーであることを加味することが大切だ。同社は5Gネットワーキングハードウェアを数多く発表し、その中にはMIMO(複数入出力)製品もいくつかあった。
ネットワークといえば、TechCrunchの(そう、今のところの)親会社のことを完全に忘れていた。Verizon(ベライゾン)は5Gブランドをつけたロボットをたくさん発表した。同社は未来のロボット・コミュニケーションにおける携帯通信の重要性を強調した。
CSO(最高戦略責任者)のRima Qureshi(リマ・クレシ)氏がReuters(ロイター)の記事でこう語っている「5Gを使えばロボットは他のロボットやあらゆる種類のデバイスと、これまでまったく不可能だった方法でつながることができます」。
たしかにロボットは良い見世物になる。私の知るところでは、このBoston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)風の四本脚は、Ghost Robotics(ゴースト・ロボティクス)の製品であり、Verizonは2021年1月のCES(コンシューマー・エレクトコロニクス・ショウ)にも持ち込んでいた。
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もし選らべたとして、私なら2021年夏にバロセロナで有人イベントを開催しただろうか?ない。それはない。主催者のGSMAは金銭的なり何らかの理由で選択肢を持っていたのだろうか?それは答えるのが難しい質問だ。イベントを運営する会社にとって、大きなショウを1つ中止するだけでも莫大なショックなのである。
果たして私はこのショーの概要紹介を木曜日まで続けるべきなのかどうか。もちろん何か興味深いものが登場するか、イーロン・マスク氏が人のまばらなコンベンションセンターをホバーボードで飛び回る動画でもあれば別だが。しかし期待はしていない。
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(文:Brian Heater、翻訳:Nob Takahashi / facebook )