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企業のキーパーソンとつながれる! BtoB営業に必須の「ONLY STORY」について、CCOの斉藤さんに聞いてきた

コロナ禍でなかなか人に会えない中、営業活動に課題を感じている人も多いのではないでしょうか。オンライン対応では成果を上げられないと感じている人もいるかもしれません。

一方、オンライン化の流れは強まるばかりで、アフターコロナにおいても止まることはないように思えます。

そんな中、注目を集めているのが、審査制・決裁者マッチング支援SaaS「ONLY STORY」。今年3月に過去最高の月間新規登録数を記録、5月時点の登録数は4,000を突破しています。

登録できるのは決裁権限を持つ人のみ。営業ツールというよりは、各社のキーパーソンが登録しているコミュニティのようなサービスです。

今回は、そんな「ONLY STORY」の運営会社である株式会社オンリーストーリーのCCO(カスタマーサクセスオフィサー)斉藤諒氏に、どのようなサービスなのか、詳しく話を伺いました。

BtoB営業では「決裁者」に直接アプローチすることが大切

ーー御社が「ONLY STORY」を立ち上げたのは、コロナ禍よりも前の話ですよね。

斉藤氏:2015年頃です。もともと弊社は経営者向けのメディアを運営していた関係で、多くの経営者とお話しする機会がありました。その中で感じていたのが、営業活動を課題として挙げる経営者が多いということ。

どんなに素晴らしい理念を持って、優れた商品やサービスを扱っていても、それらを必要な方々へ届けて使っていただけるようになるまでの過程に悩みを抱えており、その悩みは人員や資金など多岐にわたるものでした。日本経済が「失われた30年」と呼ばれる原因はもしかしてここにあるのでは、と思ったほどです。

そんな企業のために自分たちができることはないか。そうだ、決裁者に出会える仕組みを作ろう! と開発されたのが「ONLY STORY」でした。

ーー「決裁者」という点がポイントなのでしょうか。

斉藤氏:そうです。BtoB営業では、決裁権限のない人と会っても、なかなか契約にはつながらないのが現実なのです。

「ONLY STORY」を通して実現を目指しているのが、弊社独自概念である『KBM(Keyperson Based Marketing)モデル』。会いたい企業のキーパーソンだけに絞ってマーケティング活動を行えるというものです。決裁者同士なので、合う方と出会えれば社内確認も少なく、スピーディーに話を進められます。

ただそれだけではなく、決裁者同士が出会えることによって、プロダクトの改善を進めるために必要なクリティカルな意見交換ができたり、協業・提携などの大きな一手もスムーズに意思決定したりできる。そのようなメリットも、事業を進めていく中で気づいていきます。

ーーコロナ禍で進むオンライン化が結果的に「ONLY STORY」の成長を後押ししたのですね。

斉藤氏:弊社にとっても予想外の出来事でしたが、その影響は大きいでしょう。多くの企業がオフラインからオンラインに営業手法を変えざるを得なくなってしまった中、すでに多くの方に利用されていて、オンライン上でつながりを増やし、ビジネスの進化、改善に繋げていくために必要な豊富なノウハウが蓄積されている「ONLY STORY」が選ばれたのだと思います。

無料会員向け「ONLY STORY」と有料会員向け「チラCEO」

ーー「ONLY STORY」に登録すると、具体的にどんなことができるのでしょうか。

斉藤氏:無料会員と有料会員の2種類があり、無料会員は「ONLY STORY」上に自社の事業内容や特徴などが書かれた記事を、永年無料で掲載することができます。記事を読んだ他の登録決裁者から直接メッセージを受け取ることも可能です。

ーー記事を掲載してメッセージが来るのを待つだけなのでしょうか。

斉藤氏:加えて、「ONLY STORY」が毎日3人、おすすめの登録決裁者を紹介します。記事やプロフィールを読んで会いたいと思ったら、スワイプで「会いたい」を送るだけ。相手からも「会いたい」が返されるとマッチング成立! チャットでメッセージを交換することが可能になります。2018年から商談の実施ベースで20,000マッチング以上生まれており、現在も増加中です。

ーーでは有料会員になると、どのようなことができるのですか。

斉藤氏:「ONLY STORY」を無料版と位置付けると、有料版とよんでいる「チラCEO」というサービスを使えます。無料会員向けの機能に加え、特定の企業にメッセージを送信することが可能です。メッセージ送付の際には、従業員数や業種などを用いたターゲット検索と、決裁者のニーズで絞るニーズ検索を掛け合わせることができるので、ミスマッチを小さくできます。ちなみに、送付先にあたる「チラCEO」の登録者の8割以上は、取締役以上の肩書きを持っています。

自分で決裁者を探すだけでなく、登録者限定のオンライン交流会に参加したり、定例オンラインミーティングで弊社のカスタマーサクセス担当者から直接合いそうな決裁者の紹介を受けたりすることもできます。

ーーサービスを提供する上で、こだわっている部分はありますか。

斉藤氏:CS(カスタマーサクセス)によるサポート体制を強化しています。

プラットフォームに登録した後に大きな問題となるのが「使いこなせない問題」。登録者にサービスを最大限に活用していただくために丁寧にフォローしています。ちなみに、弊社はCSの人数が営業社員の3倍以上いるんですよ。

ーー3倍も! いかにCSサポートに力を入れているか、わかりますね。具体的にどんなフォローをしてもらえるのでしょうか。

斉藤氏:登録直後に運用方針を定めるキックオフミーティングやメッセージを運用いただく際に重要な文面作成のサポートなどです。オンボーディングは、継続的に利用していただくことが重要であるSaaSが力を入れるべき部分。

営業したいなら、営業し過ぎないようにする?

ーーオンライン上での出会いとなると、中には不適切な言動や行動をする人がいそうで心配です……。騙されるようなことはないでしょうか。

斉藤氏:弊社サービスは完全審査制となっています。独自の審査を通過した企業のみ登録していただくことが可能です。

登録後も不適切なやり取りはブロックがかかる仕組みになっていますし、マッチング後のフィードバックで評価の低さが目立つ場合は、注意勧告や退会をお願いすることもあります。

そもそも、登録いただいた方には、オンボーディングの際に「自社目線に偏った営業は控えてください」と言ってるんです。

ーーあまり営業しないでください……? でも、「ONLY STORY」は営業を支援するためのツールですよね?

斉藤氏:はい、営業するために営業しないでください、です。少し伝わりにくいですかね(笑)。

登録後は張り切って営業メールを送ろうとする方が多いのですが、私は「売り上げを伸ばしたかったら、まずは営業ではなく、自己PRをしてください」と伝えています。自分にはどんな強みがあって、相手のどんな課題を解決できるのか、などですね。

逆の立場になって考えてみましょう。もし、よく知らない人からしつこく営業メールがきたら、あなたはどうしますか? 読まないのではないでしょうか。日々多くの経営課題や重要事項と向き合っている経営者なら尚更です。よほどのことがない限り、あまりよく知らない人からの営業は受けないでしょう。

人はものを購入するとき、商品やサービス自体を見るのではなく、人を見て買うことが多くなってきたと感じませんか。「あのタレントが使っていたから」「あの店員さんが丁寧に説明してくれたから」など、その人を信頼しているから購入するのだと思います。これは、経営者が意思決定を行う際にも同じことが言えます。

だから、まずは商品やサービスを売ろうとするのではなく、相手の課題をしっかり聞いて、自分には何ができるかをアピールすることが大切です。例えば、人材系の企業に勤めている人であれば、人事評価ツールを売ろうとするのではなく、相手の状況や課題に寄り添い、その上で自分が人事評価領域に長けている人間であることをアピールするのです。すると自然と相談者が集まるので、それからツールを売ってください、と。個人の信用力がBtoBの関係では今後ますます重要になっていくと思います。

最近では、プラットフォーム内の決裁者に直接自社のPR投稿をリリースできる「Giver掲示板」を開設しました。投稿を見て、「力になれそう!」と思ったら、メッセージを送り、つながることが可能です。

ーーつながる機会を提供するだけでなく、登録者同士が協力しながら、それぞれの企業が抱える経営課題の解決を目指しているのですね。

斉藤氏:売ろう売ろうとTAKEし合うのではなく、お互いに何かしら貢献しようと、GIVEし合っているコミュニティカルチャーの形成を目指しており、そこに興味を持って登録いただくケースも増えています。

「ONLY STORY」に登録すれば、自社の営業課題の解決ができることはもちろん、ほか登録者との出会いを通して人事、組織、経営……各方面における自社課題までも解決できる。そんなプラットフォームの構築を目指しています。

(文・和泉ゆかり)

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