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エンジンの塗装は光沢を抑えてリアルさを演出【達人のプラモ術<NISSAN フェアレディ 240ZG>】

【達人のプラモ術】
タミヤ
「1/24 NISSAN フェアレディ 240ZG」02/04

戦闘機やバイク、ロボット、スポーツカーなど、さまざまなプラモデルの作り方・楽しみ方を紹介する、プロモデラー長谷川迷人さんによる【達人のプラモ術】。「1/24 NISSAN フェアレディ 240ZG」製作、2回目となる今回は、エンジンとシャシーを組み立てていきます!

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「フェアレディ 240ZG」の製作1回目(>> カーモデル製作はボディの塗装から!【達人のプラモ術<NISSAN フェアレディ 240ZG>】)では、インストの製作順番ではなく、カーモデル製作のハイライトでもあるボディ塗装を缶スプレーで行いました。これは、1回目でも説明しましたが、説明書通りに進めた場合、ボディを塗装した後、乾燥させるために時間がかかってしまい、その間作業が止まってしまうからです。なので、先に塗装を行い、その間に別の部分の製作を進めていくというわけです。というわけで、第2回となる今回は、ボディーの乾燥を待つ間にエンジンとシャシー、足まわりの製作、そしてインレットマークについて解説していきましょう。

▲1回目で完成した「フェアレディ 240ZG」のボディ

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中

 

 

■エンジンの組み立て

POINT1:エンジンはパーツ単位で塗装

「フェアレディ 240ZG」は、実際に240ZGに搭載された2.4L直列6気筒L24型エンジンが精密に再現できるようになっています。エンジンは、26個のパーツで構成されていますが、今回は組み合わせる前に塗装を済ませておきます。「タイガーⅠ」を製作した際はパーツを全て組んでから塗装しましたが、240ZGのエンジンは形状が複雑で、組み上げてしまうと塗装しづらくなってしまうので、パーツ単位で塗装してから組み上げます。

▲切り出ししたエンジンパーツ。切り離したゲート部分が残っているとパーツが正しく取り付けられなくなるので注意

 

POINT2:クリアーを使って光沢をコントロール

エンジンは光沢のあるタミヤカラー「X-11 クロームシルバー」とつや消しの「XF-16 フラットアルミ」で塗り分ける部分と、同じく光沢のある「X-1 ブラック」と半艶の黒「X-18 セミグロスブラック」で塗る箇所が数か所ありますが、塗料を都度変えるのもなかなか面倒です。そこで、銀塗装のパーツは全て「X-11」で、黒塗装のパーツは「X-1」で塗装してしまい、そのあとパーツにフラットクリアー(缶スプレー)を軽く塗布することでツヤを変えられます。

▲「X-11 クロームシルバー」をエアブラシで塗装したサンプル。左側が缶スプレーの「TS-80フラットクリアー」を軽くオーバーコート塗装した状態。フラットアルミを再現できる

▲完成したエンジン本体はブルー、エアクリーナーはオレンジ色と、思いのほかカラフルなL24エンジン。接着面積の少ないパーツもあるので、接着剤の乾燥時間をしっかり取る

 

■エンジンの搭載

シャシーに前後輪のサスペンションやリアアクスル(車軸)を取り付け、そのあとエンジンを組み付けていきます。作業は、実車を組んでいるような雰囲気を楽しめるのがタミヤクオリティといったところです。

▲フロントサスペンションもインストの指示に合わせて塗装し、シャシーに組み付けていく。重量がかかる部分なので各パーツはしっかり接着する

▲エンジンを搭載する前にエンジンルームの補器類を塗装して取り付けておく

▲インストの指示に従いエンジンをシャシーに取り付ける

▲エンジンの搭載が完了。キットはボンネットが開閉するのであとから精密なエンジンを見ることができる

 

■シャシーの製作

ラジエーターやエキゾーストパイプ、燃料タンクを個々に塗装し、シャーシに組み付けていきます。

▲エンジン同様に個々のパーツは塗装しておきます

▲ラジエーターやエキゾーストパイプ、スペアタイヤハウジング、燃料タンク等を取り付ければシャシーの完成

▲ラジエーター下側の2連ホーンもパーツで再現されている

 

インレットマークを使ってリアルなホイールを作る!

インレットマークとは、耳に馴染みのない言葉ですが、近年カーモデルやバイクモデル等で使われるようになった金属製の転写シールです。使用することで実車のエンブレム類をリアルで立体的に再現できます。また、バックミラー、ルームミラーに貼ることで塗装では再現できない鏡面を再現できます。今回の「240ZG」ではエンブレムやミラーだけではなく、特徴的なホイールのリムやライトカバーのモールの再現に使用します。

▲インレットシールは、デカールでは再現しづらい実車の立体的なエンブレムやボディサイドのモールなどメッキが使用されているパーツ。さらに、ミラーの鏡面などをリアルに再現できる金属製シールだ

使用する際は、まず貼る文字の部分を透明の保護フィルムと台紙ごとハサミで切りとります。台紙を剥がすと保護フィルム側に金属製のシール本体が残るので、保護フィルムの粘着力を使って貼りたい位置に押し付けます。基本的に貼り直しが効かないので、位置決めは慎重に行ってください。位置が決まったら、爪楊枝や筆の後端部分などを使い、保護フィルム上から擦って圧着させます。最後にピンセットでゆっくり(←これが大事!)と保護フィルムをはがすとインレットシールがパーツ側に定着します。

 

POINT3:ホイールのインレットシールは保護フィルムから直接貼る!

キットでは、ホイールの縁部分にインレットシールを貼るように指示されています。しかし、パーツ側に段差があるので、保護フィルムの上から上手く圧着させることができません。

▲ホイールは3パーツ+インレットシールを組み合わせることでリアルな仕上がりを得られる

そこで、リング状のインレットシールはピンセットを使い保護フィルムから慎重に剥がして(インレットシールは金属なので曲げてしまうと元に戻せません、取り扱いは慎重に!)、直接ホイールのリムに貼り付けます。この際、パーツは竹串などに刺して固定しておくと作業がやりやすくなります。

▲保護シールから、ホイールのリムに貼るインレットシールを剥がす。細く繊細なので曲げてしまわないように扱いには注意が必要

▲ホイールにはエアバルブがモールド(彫刻)されており、インレットシールの切れ目部分に合わせるように慎重に貼る

 

POINT4:爪楊枝の先端を使い樹脂系接着剤で接着

ホイールは3つのパーツを組み合わせて再現しますが、メッキパーツには通常の接着剤は使えません。また、瞬間接着剤はメッキパーツが白く曇ってしまうため、やはり使用できません。インストでは樹脂系の接着剤「タミヤ多用途接着剤クリヤー」の使用が指示されているので、これを使いパーツを接着します。因みに樹脂系接着剤は粘度が高いので、爪楊枝の先端などで塗布すると塗りやすく、はみ出しを防げますよ。

▲爪楊枝の先などでパーツに塗布するとはみ出しを防げる。はみ出でしまった場合は、エナメル溶剤で拭き取るとキレイに落とせる

▲「タミヤ多用途接着剤」を塗布したらパーツを取り付ける。パーツが小さく保持しにくいのでピンセットの使用が必須

▲組みあがったホイールのセンターハブにデカールを貼りこんで完成

 

■シャシーの完成

完成したホイールにタイヤをはめてボディに取り付ければエンジンとシャシーの完成です。

【達人流!エンジン塗装のポイント】

インストの塗装指示では「ツヤあり」「半ツヤ」「つや消し」とパーツごとに、塗装の指示がされています。実物がそうだから、ということなのは理解できますが、スケールモデル的にひとつのブロックでさまざまなツヤのパーツが混在していると、まとまりに欠けて見えてしまいます。なので、エンジンではツヤあり塗装を指示されているパーツでもセミグロス(半ツヤ)に光沢を抑えて塗装し、エンジン全体の質感を統一した方が、よりカッコよく見せられますよ。

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次回は、インテリアの塗装とボディ外装パーツの取り付けを紹介します。お楽しみに!

>> 達人のプラモ術

<写真・文/長谷川迷人>

 

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