フランスのDidomiは、Webのパブリッシャーやアプリの開発者に代わって同意のフロー(コンセントフロー)を管理する。同社はこのほど、ElephantとBreegaがリードするシリーズBのラウンドで4000万ドルを調達した。Didomiはヨーロッパではすでに好調で、毎月数十億件もの、同意のための対話を処理している。同社は今回得られた資金により、米国進出を計画している。
Didomiの共同創業者でCEOのRomain Gauthier氏が、声明でこう言っている: 「JawadとRaphaëlとぼくは、プライバシーを誰にとっても容易にし、それが企業の自明の選択になるためにDidomiを創った。今回の資金調達は、このミッションを達成する旅路の重要な節目だ」。
「私たちはブランドやパブリッシャーが顧客のWeb上の歩みをもっと透明化し、気持ちの良い同意過程と選好管理の体験を通じて、もっと信頼性のあるWeb閲覧行為にしていくよう、助力していきたい」、と彼は言っている。
近年では、多くの規制当局が、プライバシーを重視するフレームワークを実装している。たとえばヨーロッパのGDPRは、その例のひとつだ。明示的な規制はなくても、そんな変化の影響が及んでいる国々は少なくないから、あなたの国でも画面にユーザーの同意を得るための「意思伺いポップアップ」やバナーが、いろんなサイトで出るかもしれない。
そんなポップアップが「気持ち良い」と言うつもりはないし、個人データを集めないからそんなものが出ないサイトがベストだが、それができないサイトもある。どうしてもデータを集めたいサイト。本誌TechCrunchも、そんなサイトの一つだ。
そしてそんな場合には、Didomiのようなプロダクトが役に立つ。いい加減な実装をして、後で罰金をくらうよりは、コンセントフローをもっと真剣に捉えて重視した方が良い。Didomiは開発者向けの同意プラットホーム(コンセントプラットホーム)であり、いろんなデバイスで使える。デスクトップのWebサイトでもモバイルのWebサイトやアプリでも、あるいはコネクテッドTVでも、それらに合わせたコンセントフローの構成ができる。
そうやってコンセントフローが一本化されていたら、いろんなところでいちいち、何度も何度も同意を求めなくてもよい。Didomiはユーザーの選好を保存し、複数のデバイスにわたって同期する。どうやって同意を集めているか、お役所が知りたくなったら、そのやり方の全貌と詳細を単純に提示できる。
今回得られた資金で同社はオープンなAPIとオープンソースのSDKを作り、なお一層デベロッパーフレンドリーにしたい、と考えている。Didomiのコンセントフロー管理サービスには有料プランもあるから、誰もが自由に使えるとは言えないが、今ではRakutenやOrange、Giphy、Weight Watchers Internationalなどもユーザーだ。
同社は、もっと多様な市場を開拓するために、マーケティングと営業を充実したいと考えている。Didomiは今後、ドイツとスペインと合衆国にオフィスを置くつもりだ。
しかしそれと同時に、状況は急速に変わりつつある。Webブラウザーは徐々にサードパーティのトラッカー(ユーザー追跡)をブロックしつつあるし、Apple(アップル)はオペレーティングシステムのレベルで、アプリがあなたを追跡してもよいか、と尋ねる。ユーザーが予想するアプリやサイトの態度が、このように変わっていくとき、それにDidomiはどう対応して進化できるだろうか。
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(文:Romain Dillet、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Didomi
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