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タブレットが気になる人は知っておきたい、いまiPadが人気な理由|iPad Hacks_01

【iPad Hacks_01】

昨今は、外出自粛に伴うテレワークや、教育市場における「GIGAスクール」の取り組み、リモート授業の普及なども相まって、タブレットのニーズはますますに高まっています。そんななか、存在感を高めているのが「iPad」シリーズ。

もしかすると、最近初めて手にしたという人もいるかもしれません。また、持っていたけどYouTubeを見るだけという人もいるかもしれません。よく考えてみると、意外と使いこなしていないiPad。そこでこの連載「iPad Hacks」では、iPadの基本的な部分から便利な使い方まで、あらためて紹介していきます。

第1回は、iPadは実際どのくらいのシェアがあるのか、どうしてiPadシリーズが人気なのか、そして、どんなモデルを選べば良いのか。

*  *  *

■iPadはどのくらい人気なのか?

まず、「iPadが人気」と言ったところで、具体的なイメージは湧きません。数値で示してくれる情報をもとに、どのくらいの人気があるのか確認しておきましょう。

例えば、ICT市場調査コンサルティング会社のMM総研が2020年12月に公開したプレスリリースがわかりやすい傾向を示してくれています。同プレスリリースに記載がある調査によれば、2020年度上期(4〜9月)における国内タブレット出荷台数は前年度比23%増の461万台となり過去最高に。そして、メーカー別のシェア1位はAppleであり、シェアとして53.9%に上り、他社を圧倒していました。言い換えれば、「市場に流通したタブレットの2台に1台がiPad」ということです。

しかも、実はAppleが上期シェア1位を獲得したのは11年連続とのこと。こうした数値から、市場における好調ぶりが分かります。

▲2021年モデルのiPad Pro(iPad向けMagic Keyboard装着時)
 

■iPadが人気な理由とは?

タブレット向けの主なOSとしては、iPadOSのほかに、AndroidとWindowsもあります。シェアはiPadOSが約半分を占め、残りの半分をそれぞれAndroidとWindowsで半々程度に取り合っているというのが現状です。では、この差は何によって生まれているのでしょうか?

これについてはさまざまな要因が複雑に入り混じると思うので、確固たる理由を断言できません。

しかし、ユーザー視点で感じる差異はあります。それは、一般的な傾向として「Androidタブレットは、ノートPC風の運用がしづらい」「Windowsタブレットは、プライベートでのカジュアルな運用がしづらい」という感覚です。Androidタブレットは1〜3万円で入手できる廉価な製品が多く、一方のWindowsは2in1利用を前提にしたタッチ操作可能なPCという印象が強い、と言い換えても良いかもしれません(もちろん、製品によって差は大きいので、例外は多々あるとは思います)。

一方、iPadにおいては、最新モデルとしてラインナップされるどの機種を使っても、こうした感覚があまりありません。ノートPC風の運用も、プライベートでのカジュアルな運用も、どちらもある程度“快適に”できるよう保証されている点が魅力です。筆者としては、同製品が多くのユーザーに支持されている要因のひとつだと思います。

▲秋にリリースされるiPadOS 15では、iPadだけでアプリプログラミングができるようになると話題

 

■iPadの人気を支える3つの要素

こうしたiPadならではの長所は、主に3つの要素が支えているものだと思います。

1つ目がiPadOS。iPhoneに搭載されているiOSの軽やかな操作性を維持しつつ、複数アプリウィンドウの同時表示や、マウスやトラックパッド操作への対応など、iPad独自の機能を備えたことで、ノートPC風の運用もできるように成熟してきました。また、Macのサブディスプレイとしてワイヤレス接続できるなど、すでにメインデバイスとしてMacを持っている人にとってもiPadの存在が無駄にならない工夫も目立ちます。

2つ目はチップセット。ラインナップの中では安価な「iPad」や「iPad mini」シリーズにすら、高性能なチップセットが搭載されています。これによって、ゲームアプリやクリエイティブ系アプリなど、処理の重い用途にも安心して使えます。さらに、最上位のiPad Proシリーズの2021年モデルでは、一部のMacシリーズと同じ「M1」チップが搭載されたことがトピックです。

3つ目は豊富なアプリケーション。膨大な数のアプリが開発されているので、App Storeを検索すれば、必要な機能を持ったアプリが大抵見つかります。例えば、Apple Pencilが活きてくるイラスト作成なら、無料アプリから多機能な有料アプリまで多数選べます。また、キーボードアクセサリを活用すれば、録音を伴った議事録をタイピングで記録するといった運用も簡単にできます。もちろん、お馴染みの「Microsoft Office」だって使えます。

▲「豊富なアプリを、快適に使える」という期待通りの体験が伴うことが、「iPad」というブランドの源泉だろう

ほかにも機種ごとに優れたポイントはいくつかあると思いますが、全モデルに共通して言えることは、この辺りになるでしょう。

 

■どのiPadを選べばいいのか?

さて、iPadが気になってきた場合、数あるラインナップから機種を絞り込んでいく必要があります。執筆現在、Apple Storeで展開されているモデルは、「12.9インチiPad Pro」「11インチiPad Pro」「iPad Air」「iPad」「iPad mini」の計5モデルです。

▲各機種の仕様を比較するには、Apple Storeオンラインの「iPadのモデルを比較する」ページがおすすめだ

キーボードアクセサリーを活用してノートPC代わりに使いたい場合には、まず「iPad Air」を検討するのが良いと思います。同機はホームボタンが無いデザインを採用していて、外観が洗練されていますし、Magic Keyboardや第2世代のApple Pencilなどプロシリーズ向けに展開されてきたアクセサリーも活用できます。

一方、イラストやデザイン、写真・動画編集などクリエイティブな用途を期待する場合には、「iPad Pro」シリーズを検討しましょう。注目すべきはApple Pencilを使う場合に、ペン先から筆跡までにラグが生じなくなるというプロシリーズ限定の機能です。サイズに関しては、頻繁に持ち運ぶ想定なら11インチモデル。そうでないなら12.9インチモデルをおすすめします。

予算が限られいてコストを抑えたい場合には、「iPad」一択です。Magic Keyboardは対応していませんが、ロジクールの「Combo touch」など、サードパーティからキーボード一体型ケースが展開されているので、ノートPC風の運用も十分可能です。ただし、コネクターがLightningになることや、使えるApple Pencilがワイヤレス充電非対応の第1世代であることは理解しておきましょう。

「iPad mini」はほかのモデルとはやや毛色が異なるので、同列には語りづらい部分があります。同機の最大のメリットは、片手で長時間持ちやすいこと。電子コミックを読みたかったり、手帳代わりに小さなカバンに忍ばせたいような場合にはチェックしてみてください。

「認定整備済製品」ページでは、過去機種の取り扱いも確認できる

ちなみに、型落ちのiPadを購入するという選択肢もあります。中古のiPadを売っているサイトもありますし、Apple Storeでも「整備済製品」として過去機種が販売されていることもあるので、少しでもコストを抑えられる買い方として頭の隅に入れておくのもありでしょう。

ただし、最新モデルでもiPadやiPad miniはそこまで高額ではありませんし、旧モデルによってはストレージ(容量)が少なかったりすることもありますので、その点は注意してください。また、保証期間があるのかどうかの確認は必須です。

*  *  *

タブレットが欲しくなったらからiPadを探す。AndroidやWindowsに余程のこだわりが無い限り、その判断は問題ありません。iPhoneやMacなどApple製品を使っている人だけでなく、スマホはAndroid、PCはWindowsという方にとっても、魅力的な選択肢だと思います。

この連載は隔週日曜に更新予定です。次回はiPadの購入の仕方についてチェックしたい部分をまとめていきますので、ぜひ併せて確認してみてください。

>> [連載] iPad Hacks

 

<文/井上 晃

井上 晃|スマートフォンやタブレットを軸に、最新ガジェットやITサービスについて取材。Webメディアや雑誌に、速報、レビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter

 

 

 

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