株式会社Specteeは、河川の氾濫直後に、ほぼリアルタイムに浸水範囲と浸水深を推定し、2Dおよび3Dのマップ上に再現する技術の開発を進めています。
そして2021年7月10日に発生した、鹿児島県薩摩川内市での河川の氾濫による浸水状況についてAI解析し、地図上にシミュレーションを行いました。
氾濫発生から10分以内に解析
同社のAIで河川の氾濫被害を可視化する技術は、SNSに投稿された画像や河川カメラ・道路カメラの映像から浸水深を自動的に割り出し、降水量・地形データなどと組み合わせて統合的に解析することで、氾濫発生から10分以内に浸水範囲と各地の浸水深を地図上に表示するというものです。
7月10日、同市を流れる川内川およびその支流での氾濫発生時には、SNSに投稿された画像をもとに浸水の推定範囲および深さを推定し、地図上にシミュレーションしました。なお、浸水の範囲や水深については推定値であり、技術の開発と並行して精度検証も実施しているようです。
SpecteeのAI防災・危機管理
同社は、水害発生時の浸水状況をリアルタイムに3Dマップ化する技術について、2021年5月に令和2年7月豪雨時の熊本県球磨川周辺をモデルケースとした検証を行っています。
このときは、当時のSNS投稿画像や降水量のデータ、地形データと過去の水害データを合わせて解析し、浸水範囲と浸水深を瞬時に3Dマップ化することに成功。また、SNSの画像1枚からでも非常に正確な浸水範囲および周辺地域の浸水深の推定が可能ということもわかったようです。
他にも、路面状態を判別する技術や各自治体と連携した実証実験など、同社について興味のある方はこちらからどうぞ。
(文・Higuchi)
- Original:https://techable.jp/archives/158015
- Source:Techable(テッカブル) -海外・国内のネットベンチャー系ニュースサイト
- Author:樋口