サイトアイコン IT NEWS

ドレス&カジュアルを両立する“シン・ラグスポ”人気の理由と新作たち

【2021注目ウォッチ】

ラグジュアリースポーツ=通称“ラグスポ”とは、長らく高級時計の定番として確立したジャンルだが、近年再び流行の兆しを見せている。さらに雲上のブランドだけでなく、手に届きやすいモデルも登場し始め、時計ファンの裾野を広げているようだ。今回は、そんな4モデルを時計ジャーナリスト・篠田哲生さんにナビゲートしてもらう。

■シン・ラグスポが流行の兆し

「現在の高級時計市場で、最もホットな時計ジャンルが『ラグジュアリースポーツウォッチ(以下ラグスポ)』だ。これはドレスウォッチにように薄型で美しい仕上げを施したケースを持つスポーツウォッチのことで、カジュアル使いはもちろんのこと、スーツにも似合う汎用性の高さで評価されている。

その原点は1972年にデビューしたオーデマ ピゲ『ロイヤル オーク』で、さらにパテック フィリップ『ノーチラス』とヴァシュロン・コンスタンタン『オーヴァーシーズ』のラグスポ御三家は、店頭にも並ばない入手困難な人気モデルとなっている。今年は御三家と同様に1970年代に登場したモデルの復刻や、ルーツやデザインコードを同じとする、新しいラグスポが目立った。

こういった新しいラグスポも既に話題になっており、入手困難なモデルも出始めているとのこと。この勢いはまだまだ収まりそうもない」(篠田)

 

ルーツに合わせてクオーツ式

ティソ
「PRX クオーツ」
価格:5万5000円

1978年に誕生したオリジナルモデルを、精度もデザインもアップデート。フラットなケースがブレスレットへと繋がるキレのあるデザインは当時のままだが、現代の時計トレンドにもつながっている。ケースやベゼルの斜面にはポリッシュ仕上げを施しており、キレにある輝きを作りだす。ムーブメントはオリジナルに合わせてクオーツ式を採用。その結果ケースの厚みは、10.4mmと薄型になっている。クオーツ、SSケース、ケース径40mm。

実力派ムーブメントを採用

ボーム&メルシエ
「リビエラ ボーマティック 10616」
41万8000円(7月発売予定)

1973年に誕生した「リビエラ」。スポーティなデザインで人気のコレクションだったが、今年は第5世代モデルとして現代的にブラッシュアップ。12角形ベゼルや力強いビスのデザインなどは継承されつつ、高精度や耐磁、パワーリザーブといった性能を持つ自社製のボーマティックムーブメントを搭載。その姿をブルースモークサファイアのハーフスケルトンダイヤルから見せるというスタイルも新しい。自動巻き、SSケース、ケース径42mm。

素材と表現力で新風を吹き込む

ウブロ
「クラシック フュージョン オーリンスキー ブルーセラミック」
価格:158万4000円

2000年代のラグスポを牽引しているウブロ。このモデルはフランスの現代美術家リチャード・オーリンスキーとのコラボレーションモデルで、彼の作風に合わせてケースやダイヤルを多面式にしており、光を受けるとキラリを輝く。そのラグジュアリーさで、他とは違った個性を楽しめる。自動巻き、セラミックケース、ケース径40mm。

 

名デザイナーの魂が宿っている

ブルガリ
「オクト フィニッシモ S」
価格:145万2000円

名作ラグスポをいくつも手掛けたデザイナー、ジェラルド・ジェンタのデザインを現代的にアップデートしたモデル。ケースからブレスレットへと繋がるスタイルは、まさにラグスポの文脈に沿ったもの。しかもケースは多面構造なので光を受けるとキラっと輝き、ラグジュアリー感を演出。今年はダイヤルに縦方向のブラッシュ仕上げを行いモダンな雰囲気を演出している。自動巻き、SSケース、ケース径40mm。

<文/篠田哲生>

篠田哲生|男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで、多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。

 

 

【関連記事】
◆夏らしく爽やか!ハイコスパなボール ウォッチの本格機械式GMTモデル 
◆30分で完売したTIMEXの超人気モデルにホワイト文字盤も登場! 
◆月の満ち欠けすらオシャレに体感できるドイツの腕時計「ドゥッファ」 

モバイルバージョンを終了