オープンソースのフレームワークServerless Stackが米国時間7月23日に、100万ドル(約1億1000万円)のシード資金を調達したことを発表した。その投資家グループには、Greylock PartnersやSV Angel、Y Combinatorなどが含まれている。
同社は2017年にサンフランシスコでJay V(ジェイ・ヴィ)氏とFrank Wang(フランク・ワン)氏が創業し、2021年のY Combinator冬季に参加した。
Serverless Stackの技術でエンジニアは、フルスタックのサーバーレスアプリケーションを、より容易に構築できる。CEOのヴィ氏によると、彼とワン氏は、この分野で長年仕事をしてきたので、今ではその経験を多くの人たちに開示したいという願いを持っている。
彼らはサーバーレスの分野でツールを開発してきただけでなく、その間にサーバーレスのアプリケーションを作る能力があまり進歩していないことに気づき、そこでY Combinatorで、その工程をもっと容易にするための考え方に、より磨きをかけようと思いついた。
彼らの技術の概要はこうだ。そのオープンソースのフレームワークを使ってデベロッパーは、自分たちのローカルマシンを直接クラウドに接続して、テストや変更を行える。その際ヴィ氏がいう「古いやり方」では、デベロッパーは自分のアプリケーションをクラウドにアップロードし、それが動くのを待ち、それからいろいろな変更を行なう。それに対しServerless Stackのやり方では、アプリケーションをローカルにデバッグする能力を獲得するために直接クラウドに接続すると彼はいう(開発過程そのものがすでにクラウドネィティブ)。
6カ月前にローンチしたServerless StackはGitHubのスターが早くも2000を超え、6万回以上ダウンロードされた。
YCの当時のコホートでヴィ氏とワン氏に会ったYCのマネージングディレクターであるDalton Caldwell(ダルトン・コールドウェル)氏は「非常に感心しました」という。両人のこの分野での経歴が、とても長いからだ。
コールドウェル氏はTechCrunchの取材に対して次のように述べている。「彼らはエキスパートです。彼らと比肩できるほどの才能は、半ダースいるかいないかでしょう。この技術は、まだ専門家と呼べる人も多くありません。彼らの能力は、事実が証明しています。現にGitHub上で見られるように、採用者が増え、今後もコミュニティのエンゲージメントが維持されていれば、それが彼らの力の証明となります」。
ヴィ氏によると、資金はチームの拡大に充てて、特に新しいユースケースをサポートするようなエンジニアを雇用したいという。
サーバーレスは初期には特定のユースケースに偏重していたが、APIがコミュニティを育てて、今ではそれをガイドとして利用しているとヴィ氏はいう。同社は最近、データベースとのAPIを作るためのフルスタックのユースケースをさらに発表し、フロントエンドのためのフレームワークも開発する予定だ。
ヴィ氏のロードマップに含まれているのは、究極的にはもっと多くのツールを築き、自分の会社をIPOまで大きくしたければアイデアをServerless Stackのプラットフォームで実装すべき、というデベロッパー間の評価が確立することだ。
ヴィ氏はさらに「だからこそ、ロードマップはコミュニティが育てて欲しい。私たちは彼らがプロダクションで(本番で)作っているもの、管理しているものにフォーカスしています。最終的に私たちは彼らが自分のアプリケーションをすべて容易に管理できるためのダッシュボードを作ることになるでしょう」とあくまでもデベロッパー指向の見解を述べている。
カテゴリー:ソフトウェア
タグ:Serverless Stack、オープンソース、資金調達
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(文:Christine Hall、翻訳:Hiroshi Iwatani)