【達人のプラモ術】
「達人オススメ100均ツール」01/05
戦闘機やバイク、ロボット、スポーツカーなど、さまざまなプラモデルの作り方・楽しみ方を紹介する、プロモデラー長谷川迷人さんによる【達人のプラモ術】。なんですが、今回からはちょっとプラモ製作はお休みして、ツールのお話をしていきます。しかも100円ショップで入手できるホビーツール。コスパ抜群! そして使える! プラモの達人がオススメする100均ツールを一挙ご紹介! まずは厳選TOP5から!
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プラモデルの製作では、ニッパーをはじめ紙ヤスリやピンセットなどなどさまざまなツールが必要です。そうしたツールを揃えると、それなりに財布に負担がかかるのが悩みどころ。しかし近年、セリアやダイソー、あるいはキャンドゥといった大手100円ショップでも、ホビー向けやプラモデル製作用のツールやアイテムが充実してきていて、モデラーの間でも注目集めています。
これまでは、100均のツールというと安かろう悪かろうというイメージが強かったのですが、近年はホビーメーカーのツールにも劣らないものも多数発売されるようになりました。これを使わない手はありません。そこで100均で購入可能なホビー用ツールやアイテムの中から、プラモ達人オススメの使えるアイテムを選んでみました。
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!「@Modelart_MOVIE」も配信中
1位 数をそろえたい「逆作動ピンセット」(セリア)
細かなパーツの保持に欠かせないピンセットですが、手を放しても金属の弾性を利用したテンションで掴んだパーツを保持してくれるのが「逆作動ピンセット」です。
保持力も高く、小パーツの塗装の際に使い勝手の良いツールで、大手模型メーカーからも発売されていますが、パーツの塗装等では数を必要とするツール(筆者は50本近く所有)です。だから、100均での取り扱いはありがたい限り。一度品切れになるとデザインが変更されることが多いようです。
2位 コンパクトかつ使い勝手が良い「キューブ型やすり」(セリア)
キューブ状の硬質ウレタンの4面がそれぞれ番手の違うヤスリ(240番、400番、600番、800番)になっており、コンパクトで使い勝手が良い研磨アイテムです。べースが硬質ウレタンなのでパーツの面出し研磨作業にも適しています。
ただしサイズが小さいので大面積の研磨作業には不向き。ヤスリが摩耗しても交換はできませんが、ベースのウレタンは使えるので、摩耗したヤスリをはがして両面テープで新しい紙ヤスリを貼れば新品にリサイクルできます。プラモ製作では目の粗い240番の出番はないので、自分の好みの粗さの紙ヤスリ貼り変えればさらに使い勝手が良くなります。
240番、400番、600番、800番になっている。摩耗したら両面テープで市販の紙ヤスリをカットして貼り付ければ何度でもリサイクルして使用できる
3位 消耗率の高い研磨ツールだけに低価格は大きな魅力の「スポンジやすり」(セリア)
ゲート後の研磨処理や表面処理に使用できる柔軟性のあるヤスリで、プラモの製作では欠かせない研磨ツールです。柔軟なスポンジ素材がベースになっているので、耐久性、パーツ形状になじませやすい柔軟性など、汎用性の高さがポイントです。
ホビーメーカーから発売されている同様の商品に比べると、表記された番手よりヤスリの目がやや粗目な感じなので#600なら#400、#1000なら#800程度と考えると良いでしょう。スポンジヤスリは使用頻度が高く、ある意味使い捨ての消耗ツールなので、低価格は大きなポイントです。#600#800#1000は細めセット、#1200#1500#2000は仕上げ用セットとなります。
4位 とにかくコスパ抜群な「スティッククッションやすり 細目#600 粗目#1000」(セリア)
4位もヤスリがランクインです。セリアで販売しているスティッククッションやすりは、長さ90mm、幅10mm、厚さ約5mmの両面が紙ヤスリなったスティックが10本セットになっています。スティックは硬い弾力のある素材が使われており精度の高い研磨作業に適しています。
カッターで切断できるのも特徴です。目詰まりしにくい紙ヤスリが使われていますが、基本は使い捨て。100均ヤスリの常で、番手はやや粗目な感じですね。また水研ぎには使用できないとなっていますが、試用では問題なく使えました。これで8本・10本入って100円ですからコスパ抜群です。
5位 この発想はなかった!「フタも出来る使い捨て塗料皿」(セリア)
塗装の際は、塗料の希釈や混色のために塗装皿が欠かせません。そして近年は、従来の金属製に変わって樹脂製の塗料皿が主流になっています。樹脂製の塗料皿は基本使い捨てとなるので、100均からの発売はありがたい限りです。
セリアで扱っている「使い捨て塗料皿」は10枚セットで、2枚ずつ繋がっています。切り離せば普通の塗料皿として、切り離さず折り曲げれば1枚がフタになるのが特徴で、塗料が乾くのを防いでくれます。この発想は模型メーカーの塗料皿にもありませんでした。使い勝手を考えたアイデアで、堂々の5位にランクインです。
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なんと、達人から見た使える100均ツールTOP5はすべてセリアの商品でした。消耗度が激しかったり、数が必要なツールを100均で入手できるのは金銭面を考えても大きな魅力です。次回は、惜しくもTOP5には入らなかったけれど、使えるツール類をご紹介します。「そう、こんなの欲しかったのよ」みたいなモノが出てくるかも。乞うご期待!
>> 達人のプラモ術
<写真・文/長谷川迷人>
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- Original:https://www.goodspress.jp/howto/389315/
- Source:&GP
- Author:&GP