1983年に発表されたポーター「TANKER(タンカー)」シリーズは、MA−1をモチーフに開発されたミリタリーテイストの“大人ストリート”を体現するようなデザインで、90年代に学生だった身としては憧れのバッグです。そんな「タンカー」シリーズに7年ぶりの新色“IRON BLUE(アイアンブルー)”が誕生しました。
その新色50型(!)のバッグの中から最も気になったのが「タンカー BACKPACK」(3万1350円)。
以前から、その柔らかな感触が好きだった「タンカー BACKPACK」ですが、学生時代のイメージが強いため、大人になると少々取り入れづらくなってたアイテム。でも最近「やっぱりひとつ欲しいな」と思っていたところに、“アイアンブルー”という大人の男性が身につけやすい落ち着いた色味が登場。トレンドのシャツセットアップとの相性も◎。セットアップのかっちりした印象に、ほどよい抜け感を加えてくれそうです。
そんなスタイルと合うのか、試してみましょう。
■大人スタイルに合わせるならシャツセットアップが本命
7年ぶりの新色は待望のネイビー系。日本の伝統色である“鉄紺”の深みのある色合いは、上品で落ち着きがあります。品のある色味とタンカー特有の光沢感による上品な見た目はさすが。
普段のカジュアルスタイルにバックパックを合わせると少年っぽくなりがちですが、このバッグならシックで品格のあるスタイルに格上げしてくれます。
スーツでも定番のネイビー系は男性にとって馴染みのある取り入れやすいカラー。知的や信頼などの印象を与えてくれる青は、清潔感、誠実さを表現するのにぴったりです。また、髪の毛が黒色の要素も持っているため、コーディネートしやすいのもポイント。基本的に合わない色がないという汎用性の高さもネイビー系の特徴です。
そんな“アイアンブルー”のバックパックにはトレンドのシャツセットアップがオススメ。
「休日やカジュアルのセットアップはちょっとハードルが高い」という声をよく耳にしますが、色と素材が揃っているセットアップは上下バラバラでコーディネートするよりも簡単に上品さが取り入れられるコーデ。シャツのセットアップなら暑い夏でも快適に上品さを取り入れられます。
セットアップのオススメカラーはチャコールグレーなどのグレー系。グレー×ネイビーはジャケパンでも鉄板のキレイめな合わせ方。上品な色同士の組み合わせなので手軽にきちんと感を演出できます。
ベージュなどのアースカラーもしっくりきます。クールな印象のネイビーも、ベージュと合わせることで柔らかい印象に。明るいトーンのベージュは夏でも取り入れやすい上に、秋口でも取り入れられる人気のカラー。また、パンツだけ使用するなど別々に使えるのも魅力です。ちなみに、中に着るTシャツはネイビーが映える白がオススメです。
「タンカー」といえばオリジナルカラーの“セージグリーン”。定番のこの色は白いトップスにチノパンなどのシンプルなカジュアルスタイルにピッタリ。デニムなどさまざまなスタイルにあう色味ですが、アースカラーでまとめてあげると、統一感も生まれ調和の取れた落ち着いたコーディネートになります。カジュアル度を高めたい時やラフなスタイルにしたい時にオススメです。
ブラックはオックスのシャツにデニムなどのアメトラを意識したスタイリングに。セージグリーンに比べて落ち着いた雰囲気のブラックはブリーフケースなどアイテムを変えればビジネスでも愛用される人気カラーです。また、タンカーは男女とも使えるジェンダーレスなデザインと時代に流されない定番性も魅力。パートナー間でシェアするのはもちろん、経年変化したタンカーを次世代に引き継ぐこともできちゃう普遍的な魅力があります。
■名作「タンカー」の変わらない魅力
日本でのフライトジャケット「MA-1」ブームを巻き起こした映画『トップガン』(1986年)よりも3年早いタイミングで、「MA-1」をモチーフに開発した生地を使い誕生した「タンカー」。
そんな「タンカー」が名作と言われる理由は完成度の高さから。裁断から縫製・パーツに至るすべての工程に、吉田カバンの職人の徹底したこだわりが詰まっていて、そのクオリティは現在も変わりません。ナイロンツイル(表面)+ポリエステル綿(中間層)+ナイロンタフタ(裏面)のオリジナルの3レイヤー生地はとても軽く、ボンディング素材の柔らかな感触は35年以上たった今でも唯一無二の魅力があります。
フラップ部分の3本のステッチ。3本針で一度に縫うのではなく、実は1本ずつ縫製。熟練の職人による高い技術によって生まれる美しさと耐久性もタンカーの魅力のひとつです。
上部のフラップを開けなくてもメインスペースにアクセスできるサイドファスナーによる高い利便性も特徴です。ゴールドカラーのファスナーはデザイン性の面でも◎。
このサイドのファスナーのおかげで肩に掛けたままでも荷物の出し入れがしやすくなっています。
上部に配されたフラップはベルトにより開閉する方式に。フラップのデザインは昔から可愛くて好きだなーと思っていたディテールです。
フラップを開けるとコードで口元を絞る巾着のような仕様になっているがゆえに、あの独特のシルエットが生まれます。
コードをほどくと大きく開くメインスペース。内装はシンプルな作りで、お馴染みの鮮やかなレスキューオレンジはデザインのアクセントカラーになるだけでなく視認性も抜群。高さがあっても奥まで見通せるため、使い勝手も良好です。本物の「MA-1」さながらの3層構造により軽量でありながらも柔らかな感触。PCを入れる場合はPC専用ケースなどに入れて持ち運ぶといいかもしれません。
背中側の上部にはファスナーポケットがひとつ。失くしたくない大事なものを入れておく場所に最適です。シンプルな内装だけに、このようなポケットがひとつあるのはとても助かります。
フロントにふたつ付けられたポケットはマチ幅があるため想像以上の収納力。3層構造による生地はここにも使われています。スマホやパスケースなどの出し入れを頻繁にするものをしまっておく場所にピッタリです。
ショルダーストラップも同素材を使用。ストラップの裏面にはナイロンテープが付けられているため、滑りにくく快適な背負い心地。統一されたデザインだけでなく背負い心地にもこだわっているところからも、「タンカー」が名作と言われる理由を実感します。
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今では当たり前になっているウエストバッグやボディバッグの斜め掛けは、90年代ストリートカルチャーの中で「タンカー」のウエストバッグを斜め掛けしたことがきっかけだったとか。
「タンカー」はファッションバッグの枠を超えて普及した稀有なアイテムです。そして今も、登場当時と変わらないデザインと柔らかい感触は、今でも「やっぱりこれだよね」と感じさせてくれる懐かしさと良さがあります。
そんな「タンカー」に登場した新色“アイアンブルー”のバックパック。まるで違うバッグのような新鮮な気持ちで背負えました。すでに「タンカー」を体験している人も、そして未体験の人にもオススメしたいバッグです。
ちなみに近々「タンカー」“アイアンブルー”の取り扱い店舗が拡大するとか。現在はPORTER flagship store(OMOTESANDO / OSAKA)など4店舗だけなのですが、8月7日からはPORTER flagship store(MARUNOUCHI)やPORTER STAND(SHINAGAWA STATION / TOKYO STATION / KYOTO)など、新たに12店舗で取り扱いを開始するそうです。絶妙な色だからこそ、ぜひ一度実際に手にして自分の目で色合いを確認してみてくださいね。ビビッとくるかもしれませんよ。
>> 吉田カバン
<取材・文/宇田川雄一>
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- Original:https://www.goodspress.jp/reports/389463/
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