「IoTテクノロジーの民主化」を掲げるテック企業ソラコムは7月30日、5月に開催したコンテスト「SORACOMラズパイコンテスト 〜IoTで業務改善、ライフハックを始めよう〜 」の最優秀賞4作品の作り方を「SORACOM IoT レシピ」として公開した。
ソラコムは、IoT機器とインターネットを連携させて、誰でも簡単にシステム構築ができるIoT通信プラットフォーム「SORACOM」を提供している。「SORACOMラズパイコンテスト」は、「SORACOM」と、ワンボードコンピューターRaspberry Pi(ラズパイ)を組み合わせたIoTシステムを作成し業務や生活の改善したアイデアを、企業・個人を問わず広く募集するというもの。2021年の4月19日から5月31日かけて開催され、7月15日に、次の4つの受賞作品が発表された。
<優秀賞(ソラコム賞)>
ラズパイとSORACOMで子豚の出産通知を作ってみた:@akahira氏
子豚の定期チェックと出産通知を行うシステム。ラズパイ、環境センサーとウェブカメラを豚舎に設置して、親豚のいる場所を定期的に撮影。映像データから子豚の出産をMicrosoftの機械学習モデル作成ツール「Lobe」で制作した学習モデルで判別。LINEで通知する。
<メカトラックス賞>
SORACOMとラズパイで郵便受けの中身を確認できるようにする:池田大氏
郵便受けの中を定期的に撮影し、SORACOMのサービスを利用し家の中や外出先から郵便を確認できるというもの。Raspberry Pi Zeroとラズパイ用カメラを郵便受けの中に設置し、定期的に映像を撮影し確認できるようにしている。電力消費を抑えモバイルバッテリーで駆動させたため、M5Stackシリーズの「開発モジュール「M5 ATOM Lite」と電源管理基板「OnOff SHIM」を使ってラズパイを一定期間ごとに起動(間欠動作)させている。
<ケイエスワイ賞>
Raspberry PiとSORACOMで娘のお迎えを効率化 お迎え予告システムを作ってみた:@jasbulilit氏
預け先の子どもに、そろそろお迎えに行くよと知らせ、帰りの支度を促す。迎えに行く前にIoTボタンデバイスを押すと、子どもの手元にあるラズパイにつながっているLEDランプが点灯し通知する。
<日本ラズベリーパイユーザーズグループ賞>
【工事無し】簡単にICカードでスマートロックを作る:山下雅稔氏
ICカードで開くキーボックス。認証の記録から入退室管理も行える。3Dプリンターでキーボックスを作成。ICカードリーダーとラズパイを接続し、ICカードで認証された際にサーボモーターでキーボックスを開くという仕組み。認証の記録を取得し、入退室管理も実現。
これらの作品は、ソラコムがIoTシステムの作り方を解説する無料のIoT手順書「SORACOM IoT レシピ」において、ユーザー提供による「SORACOM Makers」レシピで製作手順が公開されている。
ソラコムではまた、8月末までの2週間、IoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を開催している。Wi-Fiや有線通信デバイスをSORACOMでIoT化できる新サービス「SORACOM Arc」を活用したブログコンテストも開催中だ。
関連記事
・ソラコムが無料でIoTデバイスを貸し出す「自分で学べるIoT通信講座」を8月31日まで開催、専門家が答えるIoT相談会も
・ソラコムがIoTプラットフォーム「SORACOM」をWi-Fiや有線からも利用可能にする「SORACOM Arc」提供開始
・ソラコムが施設内の二酸化炭素濃度をIoTセンサーで計測するスターターキットを提供開始
・IoTで「生活を便利に」「業務を改善」するブログ記事募集、ソラコムがラズパイとSORACOM活用コンテスト開催
・Raspberry Pi財団が550円の「Raspberry Pi Pico」発表、日本でもスイッチサイエンスが発売
・スマートドライブとソラコムが国内外でプラットフォーム連携、モビリティ領域のIoT利活用を促進