NHKは8月6日、警視庁職員が26万人分の運転免許証データを削除し、不正アクセス禁止法違反等の容疑で書類送検されたと報じました。犯行の動機は上司への腹いせだった模様です。
運転免許証データを削除
NHKによると、警視庁の情報管理課に所属する33歳の男性職員は、不正なプログラムを作成し、26万人分の運転免許証データを削除しました。
容疑者は、データ削除の動機について「前日に上司から注意されたことで不満が爆発した」と語っており、上司への腹いせに運転免許証データを削除したものとみられます。
また、警視庁のシステムに不正にアクセスし、人事資料や捜査資料等の約185,000件の機密情報を持ち出した疑いもかけられています。
日本テレビは、容疑者が管理者権限のIDとパスワードを入手し、警視庁のサーバーにアクセスしていたと報じています。
なお、持ち出されたデータの外部への流出は確認されておらず、一時削除された運転免許証データも、バックアップを用いて復元されています。
警視庁は8月6日、容疑者を懲戒解雇するとともに、書類送検しました。
情報流出事件が散発的に発生
第三者からの不正アクセスにより企業や官公庁等が保有する個人情報が流出する事件が散発的に発生しており、今年5月には富士通ソフトへの不正アクセスによる中央省庁からの情報流出が判明しています。
民間企業においても、大手マッチングアプリの「Omiai」で最大約171万件の個人情報流出や、大手ゲームソフトメーカーのカプコンで最大39万人分の個人情報流出が発生しました。
組織内部の従業員等による情報流出は、元ソフトバンク社員による5G関連情報の持ち出し等が挙げられます。
警視庁の情報課職員が不正プログラムを用いて、大量の免許証データを削除した今回の事件は、情報を扱う組織でのガバナンスの難しさを浮き彫りにしたと言えそうです。
Source:NHK, 日本テレビ
Photo:警視庁
(seng)
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