コーディングのプロジェクトが大きくなり、参加者が増えると、プロジェクトの全体像を把握するのが困難になり、チームが分散しているととくにそうなる。今日(米国時間9/30)、開発チームを助けてコードベースの全体を理解できるようにするアーリーステージのスタートアップCodeSeeがリリースしたOSS Portは、多様な構成のオープンソースのチームにそれができるようにするための、それ自身オープンソースのプロジェクトだ。
また同時に同社は、昨年調達して未発表だった300万ドルのシードラウンドを発表した。そのラウンドはBoldstart VenturesとUncork Capitalが共同でリードし、DCVCとPrecursor VenturesおよびSalesforce Ventures、そしてさらに数名のエンジェル投資家が参加した。
全体としてCodeSeeの目標は、コードを視覚化してそれを理解できるようにすることだ。このところ開発のサイズはますます大きくなり、デベロッパーの数も増えているから、それは至難の課題だ。「CodeSeeはデベロッパーとチームがコードの構造や仕組みを深く理解するためのツールです」、とCEOのShanea Leven氏は語る。氏は、夫でCTOのJosh Leven氏と一緒に同社を創業した。
CEOのLeven氏によると、オープンソースのプロダクトから始めたのは、こんなサービスへのニーズがとくに高いのはオープンソースのプロジェクト、と彼らが見ているからだ。オープンソースのプロジェクトは世界中からいろんなデベロッパーが参加し、絶えず新しい人が加わることが多いので、コードベースの全体観を持つことがとても重要だ。CodeSeeがそんなプロジェクトで役に立つなら、それはプロダクトの商用バージョンにとって概念実証になる、と彼女は考えている。
CodeSeeの創業者でCTOのJosh LevenとCEOのShanea Leven. 画像クレジット: CodeSee
今回のリード投資家BoldstartのマネージングパートナーであるEd Sim氏は、このコードベースを理解する能力が、開発工程から欠落している重要なピースだ、と見なしている。そしてそれは、有能な技術者が定着するためにも重要だ、と氏は言う。技術者は、コードベースを理解できないと1年後に辞めてしまうことが多いからだ。
Sim氏はこう言う: 「コードベースに早く精通できるためのツールがあって、十分に視覚化されていれば、それは開発チームに大きな価値を提供し、良質なコードを迅速に提供できるようになる。それこそが、Shaneaがわれわれに教えてくれたことだ」。
Leven氏が夫と共に同社を立ち上げてから1年半になるが、今では10名の社員がいる。CEOのLeven氏は黒人で、彼女の個人的な経験から、差別のない企業および企業文化を作ることがきわめて重要と考えた。「いろんなスタートアップで仕事をしたけど、今度CEOになったことの最大の喜びは、前から考えていたような、差別や格差のない企業文化を築いていけることです」、と彼女は言っている。
彼女はこう付け加える。「人種構成などが完全な比率ではないし、いろんな意味でまだ何も完全ではありません。でも企業文化の構築は必須であり、毎日の体験の必要な部分です。それらを別々には考えません。会社がこっちにあって、差別や格差の廃絶があっちにある、というものではありません。ダイバーシティとインクルージョンは、この会社の基盤です」。
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同社はパンデミックの間に創業され、チームは地理的に分散しているが、彼女によると、今の形は会社が成長しているときの状態だ、という。そして今でも考えているのは、むしろローカルなハブを複数作って、そこに従業員たちのクラスターを配置する形だ。
「最初からハブ方式で行けたかもしれないけど、今後はチームとしてそれを考え、成長を目指し、それから、みんなにとってこっちの方が良いと思われることをやっていきたい。でもそれは、子ども用のワクチンが出回ってからにしたい」。
文:Ron Miller、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: CodeSee
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