AppleはiOS14.5から「アプリのトラッキングの透明性」(ATT)を導入し、アプリが他社のアプリやWebサイトを横断してユーザーの行動を追跡 (トラッキング) する場合、事前にユーザー本人の許可を得ることを義務付けました。投資銀行のアナリストによれば、新たなプライバシー方針はAppleの広告市場への参入に対する興味の表れだとのことです。
プライバシー方針は広告企業の売上を抑えるのが目的?
Appleの“ATT”とは、アプリがユーザーのIDFA(Identifier for Advertisers)タグにアクセスしても良いかどうかの許可を求めることを義務化するものですが、多くのユーザーが「許可しない」と選択することから、Facebookなどの広告を主な収入源とする企業は売上への影響を懸念していました。
しかしながら、RBC Capital Marketsのアナリスト、ブラッド・エリクソン氏によれば、このライバル企業の売上を抑えることこそ、Appleの新プライバシー導入の目的であるとのことです。
(プライバシーの変更は)Appleがグローバルな広告市場で競争したいと考えていることの表れだと考えています。
プライバシーを盾に検索アルゴリズムに投資
「(Appleは)データのプライバシーを盾に、裏では検索アルゴリズムに投資している」と、インターネット企業の業績予想の正確さと推奨度で4つ星の評価を受けているRBCのエリクソン氏はReutersに語っています。Appleが独自の検索エンジンを開発しているとの噂を裏付ける情報です。
Evercore ISIのアナリストも、8月にAppleの広告野心の可能性を指摘し、“サードパーティー企業の広告を阻害する”ことで、広告市場でのスタートを成功させることができると述べています。それでも、あくまでATTはマネタイズよりもユーザープライバシーのために導入されたというのがEvercore ISIの見方のようです。
AppleはすでにApp Storeの中に広告を徐々に入れ始めている、と今年5月に伝えられています。
Source:Reuters
Photo:Glozerwow/Wikimedia Commons
(lexi)
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- Source:iPhone Mania
- Author:iPhone Mania