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半導体チップの原料であるシリコンの価格、2カ月足らずで300%上昇~中国の減産により

シリコンウェハの画像
 
スマートフォンなどのさまざまな機器に使われる半導体チップはシリコンを原料として生産されますが、このシリコンの価格が急激に上昇しています。
 
シリコンの価格は2カ月足らずで300%上昇しており、チップ生産を始め、さまざまなところに影響が出そうです。

中国が電力消費量を減らすためにシリコンを減産

Bloombergによると、この価格上昇は中国が減産をおこなったことによるそうです。
 
中国は国内の電力消費量を減らそうとしており、そのためにシリコンを製造している業者を含むサプライヤーの生産量が減っています。
 
たとえば、中国第2の生産地である雲南省では、9月から12月までの間、8月の水準より90%の減産が命じられたとのことです。
 
これにより、以前は1トンあたり1,200ドル(約133,129円)から2,400ドル(約266,255円)だったシリコンの価格が、現在では10,440ドル(約1,158,208円)にまで上昇しているといいます。

チップ不足がさらに進む可能性も?

この価格上昇はすでに太陽電池業界に影響を与えており、太陽電池用ポリシリコンは9月29日に13%の価格上昇をみせ、2011年以来の最高値を記録しました。
 
シリコンの価格は長期にわたって高止まりすることが予想されており、2022年夏まで高水準が続き、2022年下半期になると増産の可能性があるといいます。
 
さまざまな製品に使われるシリコンの価格上昇は、最終的には消費者が商品に支払う価格に影響を与え続ける可能性があります。
 
さらに、シリコンの供給量が減少することによって、世界的なチップ不足がさらに進む可能性も考えられるでしょう。
 
チップ不足は、これまでは2022年には落ち着き、2023年には逆にチップ余りになると予想されていました。
 
また、チップ不足によりCounterpointは2021年のスマートフォン出荷台数予測を引き下げています。
 
今のところAppleはチップの数量を確保できているといいますが、Appleがピンチを感じ始めているというアナリストもいるとのことです。

 
 
Source: Bloomberg via AppleInsider
(ハウザー)

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